366話 ページ19
2人に向かって叫んだ時に恥ずかしいとかって言う気持ちなんてどこにもなくただただ勝って欲しいという気持ちが大きかった。
双子が打ったボールが日向くんの手のひらにあたり日向くんが苦しながらも必死にボールを自分のコートには絶対にいかせないと食い止め、跳ね返ったボールが稲荷崎の1番後ろのコートに跳ね返り、北さんの目の前でそのボールが落ちた
ボールが落ちた瞬間私は北さんと目が合った気がした。
あ「研磨くんっ、鉄くんっ!」
烏野が稲荷崎に勝ったという事実が嬉しすぎて私は泣いてしまった
黒「長いラリーだったな」
研「3セット目まで行ったら死ぬ」
黒「お前は疲れんの早すぎんだよ」
ついに烏野とのゴミ捨て場の決戦がこの目で見られる事に高揚してしまった。
勝ちが決まった烏野はあの後、喜んでいた。日向くんと影山くんはとても疲れ切っていたのに「最後とめたの俺だぞ」、「ボール触ったの俺だし!」と言い合う元気があったのはほんとに体力おばけだなと感じた
あ「ごめん、飲み物買いに行ってくるね」
烏野との試合を行う前に飲み物が欲しいと思い、鉄くんに伝えてから裏からの階段を降りようとした時北さん達が通りかかったので何故か私は大きな柱に隠れてしまった
北「どや、俺の仲間凄いやろってもっと言いたかったわ」
北さん達の一部始終を大きな柱からでも聞こえてしまったその言葉に私は全部理解してしまった。
きっと北さんはこのメンバーでもっとやりたかったし、まだ部活も続けたいって言う意味もあったんだと思う。そう思うと合宿の時からお世話になった北さんに私の目から涙が零れ落ちた
治「言ってくださいよ」
侑「孫の代まで自慢できる後輩になりますから」
張り詰めた顔と真剣な顔で普段は聞けない双子のそんな言葉にどんどん涙が溢れ出し止まらなかった。声は押えてるけど私の顔はもう既にぐちゃぐちゃだった
あー、これ目が腫れるの確定なやつだわ笑
北「それは楽しみやなぁ」
そう言った北さんの背中は少しだけ寂しそうに感じてしまった
双子は、北さんが怖いって言ってたこと今日の試合で分かったけどそれはきっと北さんの優しさなんだって気づいた。
あ「あ、あれ…もう行ったのかな」
そう言って顔を覗かせるとまだ居たようで角名くんがタイミングよくこちらに向いたので私と目が合ってしまった
あ、やばい…と素直にそう思った私は逃げようとした時角名くんたと双子が私の方に近づいてきた
100人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もも | 作成日時:2024年3月3日 19時