俺に落ちるまで 8【及川徹】 (ページ18)

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365話ページ18

あ｢あ…ごめん｣

それを後ろの席で見ていた夜久さんが｢ナイスレシーブ、ナイスブローック｣と言っていた

夜｢リエーフ見とけよォ！！｣

レシーブが苦手なリエーフくんに大きな声で言っていたのは面白かった

リ｢み、見てますよっ｣

3セット目が終わりに近づき、両校点をとっては取られの繰り返しが続きどちらも30点を超えてしまっている

そんな重い空気の中尾白アランさんが強烈アタックをどこに打つのかを分かっていたかのように日向くんが｢おーらーい！｣と同時に日向くんの返したそのレシーブには烏野の皆の苦しい空気を一気に日向くんがリフレッシュさせていた。

勢いを殺したふわっとソフトなレシーブ。
一直線に上へと綺麗に返ったそのボールにこの会場にいる皆がどれだけ魅了されただろうか。

勝ちたいという一心のあまり、呼吸をする事さえも忘れるこの緊張感に押しつぶされる皆の背中を日向くんのその一言で楽へと導いてくれた日向くんを見て私は思わず応援席から立ち上がり、息を呑んだ

多分こんなの他の人達からしたら何でもないんだろうけど…この数秒で烏野の皆の空気が変わり始めた

あ｢ふふ…やっぱすごいな、日向くん｣

｢そう思わない？研磨くん｣と聞くと嬉しそうに笑っていた研磨くんだった

研｢稲荷崎が相手じゃなくて良かったとか思ってるでしょ｣

烏野との試合をみていた鉄くんに研磨くんがそう言うとどうやら図星だったらしい笑

あ｢でもそうだとしても今の音駒の皆なら勝てると思うけど｣

にこっと2人の顔を見ると研磨くんが変な顔をして私をみていた

研｢俺は黒に全部あのセッターのサーブ任せるから｣

黒｢おい｣

研｢俺は稲荷崎と試合したくない｣

あ｢え〜｣

研｢Aはどうせ俺のCパスが見たいだけでしょ｣

あ｢えっ、と〜…そ、そんな事ないよ…？｣

黒｢目が泳ぎまくりだぞ笑｣

そんな事を話していた時、双子の速攻が烏野に襲いかかろうとしていた

あ｢…｣

多分、侑くんと治くん心の中で双子速攻マイナステンポ！とか言ってそうだなーとか思いながら私はそんな双子の速攻に魅入った

あ｢っ！｣

影山くんがいち早く双子のブロックについたが影山くんだけの力じゃあの速攻は厳しいかもしれと思った時、日向くんが影山くんにぶつかりながらも必死に日向くんもブロックについた

私は思わず｢頑張れ！｣と立ち上がって日向くんと影山くんに届いたか届いてないか分からないけど2人の背中に向かってそう叫んだ