俺に落ちるまで 【及川 徹】

35話 ページ36

〜ラーメン屋にて〜

花｢ここの店ってレトロ感あって素敵ですね｣

松｢だろ？俺ら毎回ここ来てんの｣

岩｢練習後はラーメンがうめぇんだよ｣


部活が終わった後、及川さん達に誘われ私と花菜はいつも及川さん達が通っているというラーメン屋さんへと向かった。
店に入ると客足はそこまで混んでいなく、ラーメン屋さんの大将らしき人が好きなところ座ってねと言ってくれたので、6人でテーブルに座った


あ｢あの、花巻さん｣

私の左隣に座りながら水を飲んでいる花巻さんに聞いてみた

花巻｢ん？何？｣

飲んでいたコップをテーブルに置いて私の目を見た花巻さんは首を少し傾げていた


あ｢ここのオススメって何ですか？｣

普通に味噌味が好きだが、レトロ感を感じさせるラーメン屋のオススメを食べてみたいと思った私は花巻さんに聞いた


及｢俺は塩ラーメンがオススメだよ！｣

花巻｢お前に聞いてねぇんだよ、ってかそれはお前の好きな味だろ｣

花巻さんと話していると私の目の前に座っている及川さんがメニュー表を私にみせてきた


及｢え〜、だってさ…俺の好きな味Aちゃんにも食べてもらいたいんだもん｣

岩｢男がもんとかつけんな気持ちわりぃ｣

花｢変態さが増す一方ですね｣

松｢俺はこの、もやし味噌ラーメンがオススメでーす｣

コクが上手くてもやしがシャキッとしてうめぇんだよと教えてくれた


花巻｢おーおー、コテンパンにやられてんなお前｣

まぁ、仕方ねぇなと笑っている花巻さんに私は目の前で拗ねている及川さんに苦笑した

及｢Aちゃんっ…みんなが及川さんをいじめてくるっ｣

助けてっとうるうるした目で助けを求めてくる及川さんにどうすればいいのか分からずたどたどしくなっていた私であった


岩｢無視しとけそんな奴｣

花｢Aがもやし味噌ラーメン食べるなら私も同じの頼むけど…どうする？｣


あ｢あ…じゃあそれにしよっかな｣


松｢及川敗北｣

花巻｢及川自爆｣

岩｢及川沈黙｣


3人の先輩が四字熟語的な言葉を並べているのを聞いて私は口元を緩めて笑いを吹き出してしまった

あ｢ぷっ…｣

あははと口元に手を当てて笑ってしまった…あ、しまった、と思ってしまい咄嗟に笑っていたのを止める私に、その様子を見た及川さん、花巻さん、岩泉さん達が目を丸くして私を見ていた


及｢え、え、え？！い、今Aちゃん、笑った…よね？！｣

岩｢うるせぇクソ川｣

花｢Aだって笑う時ぐらいありますよ｣

松｢いや…あ、うん｣

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