俺に落ちるまで 【及川 徹】

32話 ページ33

今日は飛雄を正セッターとして試合に出してと言った俺が不在の中申し訳なさが滲み出てくる


そして待つこと40分…やっと俺の名前が呼ばれ診察室に入った





結果は軽い捻挫らしい。

及｢さてと、軽い捻挫だったし…スーパーヒーロー及川さんが戻るから皆待っててね！｣

誰も聞いていない空に向かって俺は叫んだ。





数分で着いた青城の体育館を開けると烏野と練習試合をしているみんながいた


あれ…1セット取られてるじゃん


って、え？！

あれ、もしかしてAちゃん？！しかも、制服着たまま？なんで？？？


及｢制服着たままマネージャーやってくれてたってこと…？｣

とにかく俺は急いで体育館へ入った



及｢あららっ。1セット取られちゃったんですか｣


急に現れた俺に皆が俺の方を振り向いた

ギャラリーにいた女の子達から｢きゃーっ！！及川さ〜〜ん！！やっと来たぁ！！！｣

なんて言う声が聞こえたのでにこっと笑っておいた


監｢おお！戻ったのか！足はどうだった！｣


入畑監督が俺が戻ってきたことを確認すると足の具合を聞いてきたので俺は応えた


及｢バッチリです！もう通常の練習いけます！軽い捻挫でしたしね｣

監｢まったく…気をつけろよ及川｣


及｢すみませ〜ん｣

監｢向こうには影山出せなんて偉そうに言っといてこっちは正セッターじゃないなんて頭上がらんだろうが！｣

及｢あはは…｣

俺は監督の話を適当に返してずっと気になっていたAちゃんの元に行った



あ｢あっ…及川さん｣

心配そうに俺の足を見るAちゃん。

及｢ごめんね、心配かけちゃったね｣

あ｢大丈夫ですか？｣


俺より小さいAちゃんが上目遣いで見てくるから今すぐに抱きしめたい衝動に駆られてしまう

及｢うん！大丈夫！それより、今日もしかしてマネージャーやってくれてたの？｣

辺りを見ると綺麗に折りたたまれている白いタオルに、既に入っているドリンクと、記入済みのスコア表。


あ｢あ、その、はいっ｣

及｢そっか…ありがとうね｣


俺から目を離して髪の毛を触るAちゃんの頭をそっと撫でて優しく笑いかけた


あ｢っ！｣


及｢なんで制服なの？｣

俺はずっと思ってたことを聞いた

あ｢あ、えーっと…ジャージに着替えてからだと時間が掛かってしまうと思ってそのまま制服でお手伝いをさせて頂きました…何かすみません｣


岩｢俺らが少しでも早くバレーできるようにだとよ｣

岩ちゃんがドリンクを飲みながら教えてくれた

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