俺に落ちるまで 【及川 徹】

25話 ページ26

少し拗ねたような声でしゃがんだままそう言われたから私もしゃがんで及川さんと向き合う形になって自分の気持ちを伝えた


あ｢及川さん、さっきは助けて下さってありがとうございました。あ、後そんな事ないですから｣

及川さんのお陰で濡れることが無かったのでと伝えると及川さんは顔を上げて私の顔をじっと見て逸らすなと言われているみたいに私も目を逸らせず、目が合った。
何を言われるのか、何をされるのかもう待ち構えるしかない私は身構えていた

そして、及川さんが立ち上がったので私も一応立ち上がり及川さんを見た


及｢なってよ…俺のマネージャー｣


及川さんが弱々しい声で言いながら私の肩に頭を埋めているから驚いてしまった

私が困っているといつから居たのか、すぐ横の壁側に花巻さんと松川さんがにやにやしながら、わたし達を見ていた。岩泉さんは手を顔の前ですまん、とやっていた
私は3人の先輩たちに助けてくださいと、目で訴えると花巻さんが｢及川くーん！ストーップ！｣と花巻さんが及川さんを剥がしてくれた


岩｢クソ川、望月困らせてんじゃぇよ｣

花｢お前自分の感情と気持ち通り越して声に出ちまってんだよ｣

松｢マネージャーは皆のマネージャーでーす｣

花｢お前のマネなんかさせたら、Aちゃんが可哀想だわ｣

及｢スーパーヒーロー及川さんに言う言葉がそれ？！｣

岩｢スーパーヒーローって自分で言ってる所が既に可哀想だな｣


及｢岩ちゃんって、そんなにも俺に辛辣だったっけ…｣

俺泣いちゃう！と嘘泣きを始める及川さんにあ、これ前にもやってたなーなんて呑気に先輩たちのやり取りを楽しむ私


松｢まぁ、及川がAちゃんをマネ勧誘にしたがる理由わからなくもねぇから前向きな検討を祈ってるね〜。んじゃ行こーぜ｣

花｢前向きに彼氏候補よろしくねー｣

岩｢何かすまん、俺もお前がマネージャーになってくれるなら大歓迎だ。部活はいつでも見に来てくれていいからな｣

じゃあまたな。と3人の先輩は及川さんを置いて先に歩いて行った

私と及川さんを置いて先に行ってしまった先輩達を見ていた私に及川さんが声を掛けた


及｢ねぇ、Aちゃん｣

あ｢は、はい｣


及｢俺、Aちゃんの事落としにいくから覚悟しといてね｣


あ｢…え｣

及｢Aちゃんがマネやりたいって思えるように及川さん頑張るから｣

じゃあ午後練見に来てね！と言って去って行った及川さんに少しだけ顔が熱かったのはきっと気の所為だと言い聞かせた

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