勿忘草の丘 ２.【オリジナル長編物語】

76話 今日の日付 ページ31

「Aの家に行くのはどうですか？」



アレンの口から突然飛び出したのは、自分と見習い魔法使いが住む家に行くという案だった。

発言する内容は大体予想できていたが、本当に先の事を見据えずに話を進める奴だ。

男子三人は同学年だから大丈夫かもしれないが、年が離れてる雷華さんはどうするんだ。

世羅の姉だって？ 明らかに似てないだろう。似てるといっても、性格の一部分くらい。

髪色、目の色、つり目の度合、その他諸々とにかく違う。

どうするつもりだこいつ。



「じゃあ、私はどうすればいいんだ？」

「雷華さんは心配しないでください。昨日、叔母様に写真を見てもらいましたから」

「え、昨日言ってた写真、叔母さんに見せてたの？」

「うん。僕と師匠と寅君とロックさんと紗羅さんと雷華さんと百合亜さんと知里花さんの」

「私、見てなかった………」



写真といえば、昨日の風呂上がりに叔母さんが写真を見ていた気がする。趣味のプラ板をやりな

がら、机に置かれた写真のようなものを眺めていた。

あれ、雷華さん達が写った故郷の写真だったんだ。今日の夜に見てみようかな。

……じゃあ今から私の家に行くの？ 正気？ なんの連絡もしてないのに？



「もしかしたら写真のうちの数人がこの辺りに来るかもって言ったから、大丈夫」

「いつ、何処で、誰に」

「昨日の夜、リビングで、あの写真を見ながらプラ板をやってる叔母様に」

「まぁ大丈夫さ。 アレンをすんなり受け入れる程の人だし、私らのこと知ってるんだろ？」

「いや、なんか違うぞ。繋木さんがアレンを受け入れたのは、当時のアレンの身長が手のりサイ

ズの１５cm台だったからなんじゃないか！？」

「えっと、アレンをすんなりと受け入れた訳は世羅の言う通りだけど、雷華さんの言った通り、

住まわせてもらう訳ではなく、ちょっとした用事があるって事なら大丈夫だと思います」



唐突に魔法使いだけ(一矢はまだ普通の人間)の会議が始まった。

このままでは本来の目的である、私の家に行く事が出来なくなってしまう。

これはヤバイ。

そう思って、私は急いで会議の結論を出した。「行くなら早く行こう」って、みんなを急かす。

現在の時刻、４時７分。まだ５３分も残ってる。

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ラッキーカラー

あずきいろ

キャラの最近つぶやき【２.】編

雷華 「最近暇すぎて百合亜の人形で寅と遊びだす夕食後の自由時間。」

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