79話 特殊型の魔法使い ページ34
【一矢 視点】
あれから数分経つ。最初よりもずっと小さくなった黄色い塊を手の平で転がしながら、俺は世羅
に花札を教えてもらっていた。月見とか、花見とか、猪鹿蝶とか、とにかく難しい。
今の所、こいこいを簡単にしたような花札の対戦をしているが、あいつは手加減と言うものを知
らないらしく、教えの元で２回程戦っているが、札が良くたって関係なかった。あともう少しで
勝てるってとこで負けるから、それはもう悔しくて仕方がない。
あの野郎、はじめはわざと弱いフリして、終盤から一気に攻めてくるんだ。
今度、勇助達にも教えてやろう。そうして、こっちは団体で勝ちに行ってやる。
で、今更思い出したけど、世羅って前に霰粒橋で会った白い奴だったんだな。
「魔法使いってさ、魔法の得意不得意とかあるのか？」
「あー、たまーにそういうバランス悪いヤツがいるんだよな。ごく稀だけど」
「世羅は？」
「俺、生まれつきの攻撃型でさ。回復の魔法は使えなくて、治せるのは自分の体だけなんだ」
「勝手に治るタイプなのか……… ひとりで戦ったらチー」
「チートじゃない」
世羅はその三人の中で最も特殊型だ。身体能力が高くて、相手の能力をコピーして記憶する能力
を持ち、その為か頭も良い。しかし、性格は気まぐれでずる賢い。なんとなく見てみると、世羅
はボケとツッコミが両方出来そうなタイプだと思うんだ。
あの塊はどのくらい小さくなっただろうと思って、ふと手の平を見つめる。今だに男らしくなれ
ていない小さくて細い手も、いつかはAよりも大きくなる。いつか魔法使いの仕事でピンチ
になった時に、いつでも守ってあげられるように。
……ん？ どうしてAの名前ばっかり頭に浮かぶんだろう。
「あ〜、なるほど」
「え？ あ、読心術使ってるだろ！？」
「心の目」
世羅の瞳が、若干赤くなっている。髪先が、金色になっている。
特殊型の彼だけが持つ、魔法を使っている証拠だという。
……なんて奴だ。
「それにしても、お前らってまだ付き合ってなかったんだな………」
「ん？ なんか言ったか？」
「いえ、なんにも言ってましぇん」
ラッキーカラー
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さやや - 〜コメ欄でのネタバレ禁止令〜 ２. の最後に初の重大なネタバレが出ましたので、ネタバレコメントをなさる場合は"例のあの人"や"〜ページのアレ"などでお願いします。詳しくはお知らせ２. へ！ (2017年9月18日 9時) (
レス) id: d75e08b190 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - さややさん» ルシアちゃんのそっくりさん……気になり過ぎて夜眠れるか心配です(笑) 名前は普通に「志桜」と入れちゃいます。捻りの欠片もないですね(笑) アンケート、投票させてもらいましたよ！もちろんルシアちゃんに！ (2017年1月29日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
さやや - ルシアちゃんとそっくりさんのギャップが凄くてビックリされるはず…！ ところで、頂志桜さんは主人公ちゃんの名前を入力する時、どんな名前にしていますか？ 私は紗雪にしています。あと、もしよろしければ１.のお知らせに貼られてるアンケの方も…… (｡-_-｡) (2017年1月29日 19時) (レス) id: 8f09426630 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - おーっと、これはルシアちゃんの秘密が明らかになる感じですかねぇ！？いやー本当に楽しみです！更新、ワクワクドキドキしながら待ってますね！ (2017年1月29日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - さややさん» どのキャラも面白いので決め難いのですが、今の所、ルシアちゃんですね〜。帰国子女というのと、明るい性格が大好きです！番外編、楽しみにしております！ (2017年1月21日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやや | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/
作成日時：2016年9月24日 14時
