勿忘草の丘 ３.【オリジナル長編小説】

110話 中二病騎士系女子 ページ20

ミリヤさんが男性だったことにショックを受けているアレン。

そんな彼などお構いなしに世間話をする１０代後半の皆さん。

我ら中学生組(私、澪、一矢、勇助)と光影双子(世羅と紗羅)は、固まるアレンと暇そうな雷華さん

を引き連れて外に行こうとした。すると、知里花さんとロックさんもついてきてくれた。

さて、出会ってからもうだいぶ経っているけど中々紹介する機会がなかった知里花さん。



「ボクはとある民族のお告げに導かれ、槍と馬術、そして古に伝わる魔術という名の現代科学と

シンクロした現象を極めてき」

「知里花、説明が長すぎる。割愛してくれ」



そう、食いしん坊な彼女の正体は中二病のボクっ娘騎士。多分本人は自覚あり。

知里花さんは百合亜さんのひとつ下、１６歳なので中二ではない。

実はメイドのアスターさんと同い年。印象って口調でこんなにも違いが出るのか。

槍と馬術に優れているのと中二病なのには、幼少期に遊んでいた民族と関係があるらしい。

その細かい喋り方に憧れてしまうのは何故だろう。



「ハーイ、悠遠の騎士の日之影知里花と申す」



このように、知里花さんは一言一言がとーっても長いので、大抵の場合雷華さんに割愛しろと言

われる事が多い。それでも"悠遠の騎士の知里花"は省略しない。

幼い時、同い年の友達がいなかった知里花さんは、森の向こうの青龍の湖で出会った民族に遊ん

でもらっていたらしい。槍や馬術に優れているのはそのおかげ。

しかし、ぼっちの過去が仇となったのか、姉達に見てもらいたいという思いが強くなって中二病

になってしまったとか…… と、紗羅達は言う。

厳粛な雰囲気の場ではさすがに中二語は使わないが、そうでなければバリバリ使っている。

……通訳は誰がやっているんだろう。百合亜さん達なら分かるのだろうか。



「紗羅、暇だから森行こうぜ」

「ちょっと待ってよ世羅、森に行くのはまた今度でいいでしょ？」

「ちぇー」



世羅はよく森に行きたがる。人の手が入っていない、ひっそりとした場所を好むのだろうか。

彼の首にかけられた銀のペンダントの先に、赤くきらめく宝石が。

そんな世羅を止める紗羅の銀のペンダントの先には、水色に輝く宝石が。


お洒落だと、この時の私は思っていたが、まさかあんなに大切なものだったなんて。


何も知らずに茶番をスルーして帰ろうとする私を、澪が呼び止める。



「ねぇA、アレンって不思議だよね」

「え、アレン？」

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ラッキーカラー

あずきいろ

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・中二病って難しいけどかっこいいんです

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