【HQ】 妹が顔面国宝な件について。

可愛すぎる９ ページ9

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キュッキュと体育館をシューズで蹴る音が聞こえてきたので、おそらく練習が再開されたのであろう。
いや、ほんとにあの空気は辛い。沈黙ほど怖いものは無い……！！






「多分監督来たんだね〜」



「明日から合宿だし、喝入れられたんでしょきっと」






ボトルを洗いながら、同時に粉を混ぜ振る。同じ作業を何回もしていれば慣れてくるもので、今ではこぼすことなく丁寧に混ぜることが出来るようになった。

あとは、タオルと…一応テーピングの練習とかもしておくか!!
なんてことを考えながら先輩たちにひと声掛け、ちょうど三分の一の量のタオルが干してあるという体育館裏へと急ぐ。







『っしょっと、』







タオルと言えど、何枚もあれば重いものでカゴを持ってきてよかったとつくづく思う。
カゴ無かったらきっと私が運ぶ分のタオルの方、今日はタオル使えなくなってたな。







「ふぅ」







しっかりと落とさないようにかごを持ち、体育館へ急ごうと歩き出すと後方から息を整える音が聞こえる。
あ、もしタオル取りに来てたら申し訳ない……一応渡しに行こっかな。







『あ、えとタオル、ですか??』



「えッ!?は、えッ!?」







こちらに気づいていなかったのか、声をかければ酷く驚いた様子で慌てる部員さん。…確か主将の木兎光太郎先輩。
いろいろとすみません。







『お、驚かせてすみません!!……タオル取りに来たのかな、と』



「い、いや俺は外の空気吸いに来ただけです！！！！！！」







バッと後ろを向いて叫ぶ主将さん。いやここは山びこですか笑

でもさすがバレー部のスパイカーなだけあって背が高くて声も大きいので迫力満点。空気がビリついてます!!







『あ、タオルじゃなかったんですね!!ちょっと勘違いしちゃってすみませんでした!!』



「ヘッ!?いや俺もタオル取ろうかな〜〜〜とか思ってたし丁度良かったです！！！！」







なぜ敬語を使うのかは分からないが、主将さんの優しさがひしひしと伝わってくる。めっちゃいい人だな〜







『ほんとですか!?良かったです!!これがタオルで、ドリンクは次の休憩に持っていきますね!!』



「は、ハイ！！」







タオルをぽんっと渡すとそのままタオルに顔をゴシゴシと当てる主将さん。よほど拭きたかったんですね笑






「(ほんと夏陽Aのマネージャーなんて耐えられるわけなくねぇ!?タオル渡してもらったぜ……??可愛すぎんだろうが!!)」







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