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196話 深緑でレフティーな黒もやし ページ16

【紗羅 視点】



カメオ・ピンクの長髪を揺らし、私達を先導するアルメリア王女。

窓の景色から察するに、ここは王城の中心部。中央広場に行くんだから当然といえば当然ね。

王城の白壁は埃で汚れているような気もするけど、こちらは戦争の被害を受けていない様子。

ススをかぶった窓の向こう、白壁とオレンジ屋根の家が連なる王都の所々から、小さな煙が出て

いる。向こうに広がる穏やかな海には似合わないわね…… これでも収まった方なのかしら。

それにしても、あの悪い噂は本当だったみたい。

相変わらず情報通なのね、フェーリエンの店長。娘さんも元気そうでよかったわ。

お兄さんのことを、気に病んでいなければいいんだけど。

あの人、元はといえば私のせいで死んじゃったから………



「ねぇ紗羅」

「………んん? どうしたのよロック、随分と珍しいじゃない。貴方が自分から他人に話しかけて

くるなんて」

「え、珍しい? 僕はただ、紗羅が普段より静かだと思っただけだよ」

「それ、いつもの私がうるさいってこと? 貴方も胸がない割に度胸はあるわよねー」



そう、突然私に話しかけてきたこの黒もやしは、弓をやっている割に筋肉があんまりない。

年の近いバトラーはフェアヴァルト家の燕尾服のせいで華奢な体つきにも見えるけど、服の下に

は綺麗に割れた腹筋がある…… と世羅が言っていた。

世羅のイメージ図でロックとバトラーを比較してみると、明らかにロックの筋肉がない。

「俺なんかが言える立場じゃないけど、ホントにもやしだったなー」と、街の東の銭湯から帰っ

てきた世羅が証言したこともあり、筋肉がないことは事実となった。要は胸もない。

そして、小麦色に焼けた肌と焼けていない白い肌の色の差が小さいことも分かった。元からあん

まり焼けていなかったのね。

で、ロックは左利きなんだけど…… たまに手の甲が黒ずんで、目が深緑になるんですって。

……一方問題の黒もやしは、先程の発言を誤魔化そうと頑張っている。



「いやいや、そういう意味じゃなくって…… もしかしたら、繋木さんとか"あの人"の襲来とかで

気に病むことでもあったんじゃないかなと……」

「少しはあるわよ。そんなこと言うならロックだって、1度目の襲来の数ヶ月後に姿を消して、

1年前ぐらいにひょっこり帰って来たじゃない。何かあったんでしょ?」

「え、えっと、それは、人に言えるようなことじゃないから………」

「なによそれ」

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ラッキーカラー

あずきいろ

4. までのキャラが扱える楽器をご紹介!《共通点も考え中》

シネラ:???…… まさかのオリジナル楽器です。ネタバレになりかねないので???状態。


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設定タグ:シリアス , 魔法 , 恋愛   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:さやや | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/  
作成日時:2017年8月12日 22時

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