201話 裏切りの計画 ページ21
しばらく会話をしたのち、私のもとへ歩いてきたカエイとサミダレ。
超クールなはずのカエイから、期待に満ちた眼差しが飛んでくるのは何故。
一方のサミダレは、何処か困った様な表情をしている…… と思う。
私に言いたい事があるのは確かだ。サミダレがずっとあの表情のままなのは、さっきカエイとの
会話中に、彼女に鳩尾を殴られたからなのか。
二人が私の前に並んだ際に参戦したアイビーも、また瞳が輝いている。
なんだなんだ、何事だ。
「A王女、貴女は一刻も早くこの王国の外へ出たい…… そう思ってらっしゃいますね?」
「え、確かにそうだけど。まさか……」
「そのまさかですわ」
「A王女とアイビーとサミダレとシネラと私の5人で、このサイネリア王国を出るのです。
そして、A王女の御仲間を見つけ出し、共に故郷の再建を図る…… 細かい計画はまだ練って
いませんが、いかがでしょう」
「ほ、本当にいいの? 自国を裏切ることになるんだよ? アイビーだって……」
「いつかは裏切るつもりでしたわ。じゃあカエイ、あとはよろしく」
「あぁ。では王女、こちらを」
カエイはにやりと笑い、軍服の胸ポケットに入れられた紙切れを取り出した。
今回の計画らしき文や図が雑にまとめられたメモで、私が寝込んでいる間に、三人で仕上げたの
だという。それにしても見づらい。
するとそれを察したのか、アイビーが他のメモ用紙に書き写してくれた。
やはりこちらも簡単にまとめられていたが、カエイと違ってアイビーの文字は綺麗なので、解読
に困る事はなかった。
「この風穴まみれの王国から逃げ出す事など容易いことです。A王女にサイネリアを裏切る
覚悟があるのであれば、明日にでも」
「早ければ今日の夕方でもいけるんじゃないですかねー」
「今日って、さすがに早すぎるでしょ!?」
そうだ、さすがに早すぎる。
拐ってきて間もない者に、素知らぬ兵がついたとなれば、むしろ逃げると思われる確率が高い。
まず、皆に悪役を任せてしまうのも申し訳ないし。
夕方なら警備も厳重。容易に抜け出せるはずがない。
「そう思って、今日の夜中にやる計画を考えておいたんですよー」
「今回は我々が悪者になりましょう。A王女を拐った裏切り者の兵士として」
「皆に悪いよ。サイネリアを裏切った人間なら、百合亜さん達も信じてくれそうだけど……」
「A様、そこが狙いですわ」
「まじすか」
ラッキーカラー
あずきいろ
4. までのキャラが扱える楽器をご紹介!《共通点も考え中》
シネラ:???…… まさかのオリジナル楽器です。ネタバレになりかねないので???状態。
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作者名:さやや | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/
作成日時:2017年8月12日 22時