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182話 封じられたもの ページ2

リファは先程の爆発で酷い怪我を負っている。

救護班がいつ到着するかも分からない。

私に出来る事はないだろうか。リファを助けるための方法は、あるのだろうか。

出来そうなことを見つけようとしても、中々良い術が思い浮かばない。

その時、ふと目に入ったのは、リファが持っている回復用の杖だった。



"私も魔法でね、特に回復魔法が得意なんだ〜 "



そうだ。リファも私も、魔法使いだ。魔法が使えるんだ。

ここに来てからすっかり忘れていた。こんな事を思い出せたのは夜にアレンと会話をしている時

だけだったと、今更気づく。

どうしよう、一度回復できるか試してみようか。

回復魔法はやった事がないが、もしかしたら出来るかもしれない。

迷っている暇なんかない。早くリファを助けないと……



「リファ、その杖を貸してくれる?」

「う、うん。いいよ……」



昨日の御茶会の時、リファが言っていた。回復魔法を使う時は相手を思いやり、いたわることが

大切だと。心を落ち着かせ、杖に込められた魔法の光を相手に捧げるように。

きっと大丈夫だ。この杖はバトラーさん達が持ち歩いていた、魔法が使えない人でも扱える杖。

もしも私の魔力がなんらかの理由で弱まっていても、絶対に使える。

人間の身体から漏れ出ている微量の魔力さえあれば使えるのだ。

確か、リファは杖を使う時に、杖の名であるメディケという言葉をつぶやくらしい。

それで少しでも回復できればいい。少しでも……



「メディケ……!」



その瞬間、杖の先端の石が碧く光りはじめた。

次第に光は強くなっていき、魔力の小さな結晶がリファの傷を癒すように降りかかる。

しかし、リファの傷は治らないままだった。

ただただ小さな碧い結晶が降るだけで、それ以外は特に何も起こらない。

魔力が少なすぎるのだ。私は魔法使いなのに、何故?



「A、私の力も貸そう」

「……うんお」



グリント兄さんが、途中から手を貸してくれた。

私ひとりの力でリファの怪我を治すのは、とても難しいと考えたのだろう。

兄さんがメディケの杖に触れると、瞬く間に杖の先端の石が強く光りだし、リファの怪我はみる

みるうちに治っていった。



「ありがとう、お姉ちゃん達! おかげで怪我がすっかり治っちゃった!」

「私は、何もできてないよ。扱いが簡単な杖すら使えなかったし……」

「まぁ、そんなに落ち込まなくてもいいじゃないか。そろそろ他の兵を助けに行くよ」

『うん』

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ラッキーカラー

あずきいろ

4. までのキャラが扱える楽器をご紹介!《共通点も考え中》

シネラ:???…… まさかのオリジナル楽器です。ネタバレになりかねないので???状態。


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設定タグ:シリアス , 魔法 , 恋愛   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:さやや | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/  
作成日時:2017年8月12日 22時

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