貴女に惚れた12 ページ15
「む、もうこんな時間か」
気が付けば、喫茶処に入ってから随分と時間が経っていた。江戸川と話しながら外を見ていたが与謝野女医は現れなかった。
「何か事件に巻き込まれていないと良いが」
「大丈夫なんじゃない?一人じゃないし」
江戸川が発した言葉が引っかかる。…一人じゃない、だと?
「おい、どう云う事だ」
「与謝野さんは購い物する時必ず荷物持ちを連れて行くんだ」
「何故それを早く云わん」
「だって君が来たの、与謝野さん達が出て行った後だったし」
俺ならば十分に追い付けただろう。身体能力が常人とは桁違いだからな。
……今更悔やんでも遅い。もう日は傾きかけている。じきに呼び出しがかかるだろう。夜に動くのが都合の良い任務等引き受けるべきじゃなかったか。
だが昼に与謝野女医に逢えないのはいかんな。流石に夜逢いに行く訳にはいくまい。
そう考えている間に俺の携帯端末が鳴り出した。取り出しはしない。内容等分かりきっている。
…出来れば直接渡したかったが致し方ない。暫く与謝野女医には逢えそうにない。次の仕事は少々骨が折れそうだ。
「江戸川、これを与謝野女医に渡しておいてくれ。俺からだと」
俺は髪飾りが入った袋を取り出し江戸川に預けた。必ず渡しておく、と云う言葉を今は信じよう。
さて、仕事の時間だ。
92人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…!主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です! (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 1 (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年7月9日 23時