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貴女に惚れた24 ページ27

足首を撃たれ、体重を支え切れずに崩折れる。それを見た少年が攻撃を止めた。


「どうだ?今の気分は?」


「最悪だな」


血が止まらない。このままだと失血死まっしぐらだ。そんな俺を見て少年は云った。


「あんたが居なかったら、父さんが死ぬ事は無かった」


「俺が居なかったら、貴様は殺人犯の息子として生きていく運命だったがな」


視界が明滅し始める。血を流し過ぎて、貧血の症状が出ているのだろう。躯が重い。何時の間にか、横たわってしまっていた。


「有島武郎は、大臣を殺そうとしたが俺に取り押さられ、その際誤って俺を刺した」


「…え?」


「俺を刺した事に酷く動揺した有島は逮捕後、御免なさいと呟きながら死んだそうだ。過度な緊張とストレスによる心不全だと聞いている」


「何だよその話…父さんは大臣を殺して死刑になった筈じゃ…」


少年が狼狽え始める。抑も、事件があったのは六年前だ。どう見ても十四、五歳のこいつが当時の事を鮮明に覚えている筈が無い。


父親が死んだ。鳳鉄幹と云う人間が関わっている。


幼い子供の思考はそれだけ理解出来れば十分だったのだろう。そして成長するにつれ、それは歪み、偏見が加えられ、今の形になった。


「もっと……もっと詳しく!事件の事、全部教えろ!」


「態度がなってない…………五秒待て……事件の、全容を……教えて…や……」


躯が冷えていく感覚に身を委ね、重い瞼を閉じる。


最後に見たのは、驚愕に満ちた少年の顔と、黒い鴉の羽根だった。


異能力_『亡国の音』_

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Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…!主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です! (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 1 (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年7月9日 23時

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