教育係と幸せな夢 ページ5
「鷗外君…早く…眠い」
「あっ、ああうん。手早く済ませるよ」
僕が声を掛けると我に返ったみたいで、傷を軽く押したりしながら触診を始めた。ちゃんと医者の顔だ。
「痛むかい?」
「…ん」
「痒いとかは?」
「…ああ」
「…露伴君?」
「………んー…」
鷗外君が何か云ってるけど…ああ紅茶の神サマだぁ…僕も連れて行って……紅茶、の…国…………アール…グレイ…アッサム……だーじりん………ふへへ…………………。
________
鷗外side
…寝てしまった。最近、忙しかった様だから仕方ないね。起こさない様に診察を終えて、毛布をかけてやると露伴君がふわり、と柔らかく笑った。出会ったばかりの頃には絶対に見せなかった笑顔だ。
「……待て………紅茶……逃げる…な……」
その寝言に笑みがこぼれる。
露伴君を始めて見た時、何て綺麗な目をした子だろうと思った。ボロボロになりながらも、目だけは強い意志を持って輝いていた。
無理やり診療所に連れて行った時は怒りに燃えていたその目が、私が出した紅茶を飲んだ瞬間輝いた。
年相応のその姿が微笑ましかった。
私はね、露伴君。君のその強い目に惹かれていたのだよ。強い意志を持った、生きようと足掻く君に。
「……んんー……捕まえたぁ……」
…目が覚めた時には、本物の紅茶が飲めるよ。
いつもお疲れ様、露伴君。
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ペンギン屋(プロフ) - ふみさん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2018年4月22日 21時) (レス) id: 4288ea99b0 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - とっても面白いです(^^)b頑張って下さい! (2018年4月22日 8時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年4月17日 23時