教育係と饅頭茶漬け ページ31
「……行かせて良かったんですか」
治君が廊下の奥に消えて行くのを見ながらそう首領に聞いた。
「友達だから、ねえ。露伴君が太宰君の立場だったらどうする?」
「…僕は…僕も、きっと治君と同じ事を云います」
「何故だい?」
「貴方に死んで欲しくないから」
真っ直ぐに目を見つめてそう云うと、首領は驚いた様に固まった後、優しく微笑んだ。
…これはあくまで感情論だ。合理的見解だとか、組織だとかを排除した、ただの友人としての意見だ。もし実際にそうなれば、その時の背景によって選択は変わる。
要は、時と場合、なのだ。
「…ところで露伴君」
「はい」
「北欧産の高級茶葉で淹れた紅茶、飲みたくないかい?」
「是非!」
少し食い気味に応えれば苦笑された。こればっかりは仕方ない。最初に話に出てきてから気になってしょうがなかった。
そこでふと、気が付いた。
「……饅頭茶漬けって…何ですか?」
「知りたいかい?」
控えめに頷けば、鷗外君はニヤリと笑って鼻歌を歌いながら紅茶を淹れ始めた。
え、何かご飯出てきた。
…饅頭を乗せて、え?
紅茶、かけて完成…?
「私特製、饅頭茶漬けだよ」
出てきたのは何とも異様な食べ物。
混ざり合う餡子と白米。
………これ、大丈夫かな。
__結果的に云うと、もの凄く美味しかった__。
129人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ペンギン屋(プロフ) - ふみさん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2018年4月22日 21時) (レス) id: 4288ea99b0 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - とっても面白いです(^^)b頑張って下さい! (2018年4月22日 8時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年4月17日 23時