教育係と未熟者 ページ15
「なっんでっ!」
組み敷いた中也君から苦しげな声でそう云われた。治君は中也君の背中に乗っかる僕を驚いた顔で見つめている。
「何で杖が無いのに立てたのかって云いたいの?」
僕のその言葉に中也君が頷く。取り敢えず、拘束を解いてやる。中也君が勢い良く起き上がった性でベシャリ、と地面に落ちる。
「わっ!済いません露伴さん!大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫」
気持ちが落ち着いたからか、口調が直っていた。怒ると元に戻るの、どうしようも無いなぁ。
躯を起こして地面に座り直す。二人と向き合う形になった。
「さて、二人共。どう思った?」
「どうってそりゃ…勝てると思ってました」
「何で?」
「…足が不自由だからです」
治君、中々
「僕が杖がない状態で立てるとは思わなかったでしょ?」
「「はい」」
その油断が、見た目に騙される経験の浅さが、命取りになる。僕にやられているうちはまだまだ未熟者だと云う事だ。そう伝えると、二人は納得した様に頷いた。良し、これで戦場だと云う事も忘れて喧嘩なんて事はしなくなるだろう。
しっかし、杖が無いと一瞬立つのが限界か……。僕もまだまだだね。
…………この間、鷗外君に無茶するなって云われたばっかりだった…。
ああ、怒られるなぁ…。
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ペンギン屋(プロフ) - ふみさん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2018年4月22日 21時) (レス) id: 4288ea99b0 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - とっても面白いです(^^)b頑張って下さい! (2018年4月22日 8時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年4月17日 23時