E組の幹部様 (ページ9)

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昼休みの時間2 ページ9

中村さん…否、下の名前で呼んでと先刻言われたのだった。莉桜ちゃんとお昼ご飯を食べていると、いつの間にか私の机の周りは人がたくさんになっていた。赤羽くんに続いて、潮田くん、カエデちゃん、杉野くんが集まる。前の席にいる奥田さんが少し気まずそうだ。なんだか申し訳ない。

「Aちゃんって買い食い派なんだね！」

『うん！朝起きて手作りは夜型の私にはキツイかな…。』

「親に作ってもらったりとかしないの？」

『まあ、念の為ね。いくら広津さんでも毒盛られる可能性も捨てきれないし。何より広津さん本人に言われちゃったからね、信用するなって。』

「親のこと苗字呼び！？」

『広津さんは実の親じゃなくて育ての親だからね。昔はお父さんって呼んでたけど。』

「じゃあ、広津さんよりAさんのほうがしっくり来るかな？」

『どっちでもいいよ、潮田くん。』

「じゃあAさんって呼ばせてもらおうかな。僕のことも渚って呼んでよ。」

『オッケー渚くん。』

そんな会話をしていると、烏間さん…否、烏間先生が教室に入ってくる。

「広津さん。次の時間は体育だが、その前に君のスキルを見ておきたい。体操着に着替えて少しだけ来てくれるか。」

『あ、はーい。これ食べたら行きます！』

頼む、と言い残して烏間先生は教室を後にした。コンビニで買った100円の塩むすびを食べ切り、お茶で流し込む。そして猛スピードで鞄に仕舞い、代わりに体操着をひったくる。

『てなわけで、ちょっと行ってきまーす。』

「いってら～」「頑張れよ～！」「窓から見てるね！」「眺めてるわ～。」『え、なにそれ恥ず。』

そんな会話をしながら、私も教室を後にした。