クラスメイトとの時間 ページ7
始業のチャイムが鳴り、クラスメイトが私の席を離れ各々の席に着く。いよいよ転校一発目の授業の開始である。
調子に乗っていると思われるかもしれないが、私はどちらかと言うと勉強はできる方だと思っている。前に通っていた学校ではノー勉でも上位に入っていたし、勉強したときは一桁順位だってギリギリとれた。椚ヶ丘は全国的にも有名な高偏差値の難関校だが、真ん中くらいの成績はとることができるのではないか。
そんな私の淡い希望は、この後すぐに打ち砕かれることになる。
(噓でしょ……椚ヶ丘ってこんなにレベル高いのっ…!?)
授業中、私は死にかけていた。あのタコ先生の教え方はすごく分かりやすい。分かりやすいのだが…如何せん難易度が私に合ってなさすぎる。数学はどちらかと言うと得意教科なのに…。
(数学でこの調子なら、大の苦手の社会科の授業とかどうなっちゃうんだろう……)
「大丈夫?広津さん」
休み時間、隣の席の赤羽くんが話しかけてきた。不良生徒だと聞いていたが、案外社交的で話しやすい良い子なのでは?そう思いかけたが、今は頭がパンクしそうでそれどころではないのだ。
『椚ヶ丘って頭いいんだね……』
「俺、広津さんのこと勉強できそうな人だって勝手に想像してたけど、アンタ案外頭悪いんだね。」
『ぐは』
「目回して百面相しながら授業聞いてんの見てるの中々楽しかったよ。」
『やめて…見ないで……』
息も絶え絶えに今更なことを呟くと、切れ味の良すぎる言葉が飛んできて大ダメージを食らった。それに、授業中に心の中で大騒ぎしていた光景を見られていたいたなんて恥ずかしすぎる。顔を上げると、赤羽くんが大変愉快そうな顔でこちらを見ていた。此奴は悪魔か何かなのだろうか。
不貞腐れて赤羽くんから目を離すと、高身長な女の子と爽やかイケメンな男の子が話しかけてきた。
「広津さん。私、片岡メグ。E組の学級委員だよ。分からないことがあれば言ってね。」
「同じく学級委員の磯貝悠馬だ。何かあれば俺か片岡に言ってくれ。」
『片岡さん、磯貝くん、よろしくね!』
赤羽くんに傷つけられた私の心は、イケメン学級委員コンビによって癒された。やはりイケメンは世界を平和にするんだな。赤羽くんもイケメンだけど。
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作者名:ぎんなん | 作成日時:2024年2月22日 17時