E組の幹部様 (ページ4)

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転校の時間2 ページ4

「では、私が呼んだら教室に入ってきてください。」

『わかりました。』

超破壊生物(先生)の指示に従い、廊下で待機する。

さて、どうしようか。教室に入ると共に暗殺を仕掛けるか？いや、、相手は未知の生物。期限はまだ先だ。私の暗殺スタイルは短期決戦型だが、それは標的が人間の時の場合。未知の生物を殺す仕事は初めてだ。資料で得た情報、そして先程少し見えた防衛省の精鋭がナイフを振ってもかすりもしなかったあのスピード。今殺しに行っても、失敗に終わる可能性が高い上に警戒されるだけだ。手の内は見せない方がいい。ゆっくり情報を集めてから実行しよう。、

「おはようございます皆さん。席に着いてください。今日は転校生を紹介します。」

「広津さん、入ってください。」

『はーい！』

元気な声を心がけ、教室に入っていく。クラス中、全員の視線がこちらに向いていてなんだか落ち着かない気分になる。仕事で指揮を執る時は部下の視線など平気なのに、同年代の子の視線と言うだけでなんだか意識してしまうのだ。

『はじめまして！今日から椚ヶ丘中学校3年E組に転入する広津Aです！転校とか初めてなので緊張してますが、みんなと仲良くしたいです！よろしくお願いします！』

こんなものだろうか。転校の挨拶も自己紹介も経験がないため、正解が分からない。しかし皆が拍手をしてくれているため、やらかしてはいないと思う。

「ヌルフフ、自己紹介ありがとう。広津さんの席はカルマくんの隣です。着席してください。」

『はーい。』

教室を見渡し、"カルマくん"を探す。……いた。最後列中央、赤髪の彼だ。クラス名簿は資料に載っていたため事前に頭に入れてある。赤羽業。立て続けの暴力沙汰で停学処分となった問題児。登校初日に標的の触手を1本破壊したらしい。侮れないな。

『赤羽くん、だよね？よろしく！』

「うん。よろしくね、広津さん。」

任務のことを忘れたわけではない。忘れたわけではないが、少しばかり胸が踊ってしまうのは許して欲しい。

(友達、できるといいな。)

心のうちでそっと呟き、私は教卓の方へ顔を上げた。