E組の幹部様 (ページ3)

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転校の時間ページ3

今日から椚ヶ丘中学校3年E組への潜入が始まる。ポートマフィアは仕事時間が決まっているわけではないので、どうしても不規則な生活になってしまう。慣れない早起きをしたため活力がなにも湧いてこない。しかし仕事だ。やり通さねばならない。顔を洗い、渡された制服に着替えながらトーストとコーヒーの出来上がりを待つ。朝食を平らげ、身だしなみをササッと整えたら準備は完了。椚ヶ丘中学校へ向かうため、部下に車の運転を頼む。ヨコハマから椚ヶ丘中学校までは案外距離があるため、徒歩では通学できないのだ。

「いってらっしゃいませ、A様。」

『いってきます。何かあれば連絡してね。』

部下の見送りを受けながら、坂道を登りE組の離れ校舎を目指す。どうやらこの学校には"エンドのE組"というものがあるらしく、A～D組の生徒から激しい差別を受けているらしい。たしかに合理的ではあるが、中学生相手に、なんて鬼畜な制度だ。この坂道も地味にキツい。しかし、暗殺をするにはまたとない優良物件だ。

『おはようございます。今日から転入する広津Aです。』

コンコンコン。職員室の扉の前に立ち、ノックを3回。中から「どうぞ」と聞こえたため、失礼しますと扉を開けて中へ入る。

「ヌルフフフ、あなたがポートマフィアの広津Aさんですね。おはようございます、待ってましたよ。E組へようこそ。歓迎しますよ。」

『おはようございます、広津Aです。こちらこそ、よろしくお願いしますね！』

私は計算され尽くした自然に見える完璧な笑顔で標的に近付き握手を求める。相手もそれに応え、私はE組の生徒となった。

(異能を発動しても死なない…異能力が効かないっていうのはどうやら本当みたいだな。)