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松村北斗さん


私はまだ彼について名前しか知らない

だけど、あの時の瞳が忘れられないんだ


















深々と頭を下げるも、私はすぐに後悔した


記憶喪失であるにしても、流石に他人行儀すぎただろうか


何も反応がないので、急いで頭を上げると目の前にいる4人は口を押えて笑っていて


















「 そんな堅苦しくしないでよ!ね? 」















田中さんが私の肩にさらりと触れる




初対面、しかもアイドル

メンバーの距離感と言ってしまえば、確かにこれくらいは当たり前なのかもしれない



だけど私は一般人だ、メンバーではない



















「 …っ、すみません、 」


「 あー!ごめんね、そうだ。記憶喪失なの忘れてた。 」

















私が反射的に距離をとると、何かを察したらしくすぐに手を離した


憎めないような笑顔を浮かべる彼は、だけどそう言ってまた私の腰を抱く

言葉と行動がここまで連動していない人初めて見たかも






















「 樹、Aに近すぎ。 」


「 えーきょも嫉妬? 」


「 馬鹿なこと言うなよ。A、記憶ないんだから、本当に怖がっちゃうだろ。 」


「 ほら、Aが本当に困惑してるから!今日はこの辺で! 」





















高地さんが2人を止めると、そのままタクシーを呼んできてくれる
















自然と静かになった、場の雰囲気


それに居心地を悪くしたのか、薄らと笑いながら京本さんがぽつりと呟いた




























「 てか。”2人” がこんなに遠くにいるって、何だか俺らがそわそわしちゃうな。 」
























2人、とは…?



首を傾げた私を見つめる京本さんは、私とそして松村さんの方向を顎で示す
















「 私と……松村さん? 」


「 うん。でもまぁ記憶無いもんね。それに北斗も人見知りだし。 」























京本さん曰く、いつもは

”2人だけの世界”

といったような、特殊な空気感を醸し出していたらしい





誰にも壊せないような、鬱々とした暗い雰囲気





私には、全く想像がつかなかった





だって今の彼は、こんなにも私と距離を取っているのに









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momo(プロフ) - 途中で結末がこうではないか、?と予想して見事命中!でも想像をはるか上回る終わり方で、私的にはすっごく好きでした!山場の描写があまりにも綺麗で、歪んだような愛がこんな結末を呼ぶのかと思い、悲しくも何故か美しいと思っちゃいました、! (8月27日 20時) (レス) @page42 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
美久(プロフ) - タイトルは何度もお目にかかっていましたが、小説を探していて読んでみようと読み始め、ラスト鳥肌がたちました、、とても面白かったし、感情移入してしまいました、、好きな人となら、心中できるかな…と考えてしまうくらい、恋愛って様々だなって思いました。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: b2030bb904 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すごかったです…。 (2021年5月6日 2時) (レス) id: ef87b188ff (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 鳥肌が立ちました。そして涙が止まりません。表現一つ一つが印象に残りました。こんなにも夢中に読み進めてしまう作品は初めてです (2020年12月5日 23時) (レス) id: 939a9ff57f (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - ハッとさせられる作品でした。 (2020年9月13日 2時) (レス) id: ddea58931a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:FON | 作成日時:2020年8月10日 5時

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