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呆然と尽くす私に、彼は追い打ちをかけるように言葉を発し続け
私は、働かない頭を必死に整理させる
樹さんは、朝倉Aと付き合っていない
自分と付き合っているように捏造するために、トーク画面を全て消して、そして捏造した
朝倉Aが本当に付き合っていたのは、松村さん
「 そんな……。 」
現実は、余計に残酷だった
ということは、松村さんが私に向けてくれた言葉は、全部全部
私ではなく、朝倉Aに向けてのものだったということが判明したから
” 俺は、A無事で良かったよ。 ”
” 俺はね、何も思い出せないAも、今のAもどっちも好きだよ。 ”
ストーカーから守ってくれたのも、話を聞いてくれたのも、全部全部朝倉Aが自分の彼女だから
一瞬でも期待した自分が憎かった、悔しかった
所詮、私は偽りであってただの替え玉
朝倉Aと及川Aが別人であることくらい、分かっていたのに
こんなにも必死に私に思い出さようとしたのは、自分との思い出を甦らせるため
だけど、それならどうしてそれを私に伝えてくれなかったんだろう
「 Aはね、北斗と関わるとどこか遠くへ行っちゃうの。だから、北斗にも頼んだ。もうAを惑わさないでくれって。 」
私の心中を悟ったように、彼がぽつりと呟いた
私は、朝倉Aではない
だけど、確かに彼といると、どこか遠くへ行ってしまいたくなる、この気持ちが痛いほど理解出来る
私は、松村さんに惹かれている
異常なほどに、自分でも考えられないくらいに
「 だけどそれでAが幸せじゃないのなら、……北斗と一緒に遠くへ行ってしまう方が良いのかな、って。 」
遠い目をした彼は、また意味深な言葉を口にする
そして、私の方をちらりと見て微笑むと
また真剣な目付きになり、私の肩を力強く握りしめた
「 ただね、俺とひとつだけ約束して欲しいことがある。 」
「 北斗には、気を付けろ。 」
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momo(プロフ) - 途中で結末がこうではないか、？と予想して見事命中！でも想像をはるか上回る終わり方で、私的にはすっごく好きでした！山場の描写があまりにも綺麗で、歪んだような愛がこんな結末を呼ぶのかと思い、悲しくも何故か美しいと思っちゃいました、！ (8月27日 20時) (
レス) @page42 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
美久(プロフ) - タイトルは何度もお目にかかっていましたが、小説を探していて読んでみようと読み始め、ラスト鳥肌がたちました、、とても面白かったし、感情移入してしまいました、、好きな人となら、心中できるかな…と考えてしまうくらい、恋愛って様々だなって思いました。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: b2030bb904 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すごかったです…。 (2021年5月6日 2時) (レス) id: ef87b188ff (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - 鳥肌が立ちました。そして涙が止まりません。表現一つ一つが印象に残りました。こんなにも夢中に読み進めてしまう作品は初めてです (2020年12月5日 23時) (レス) id: 939a9ff57f (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - ハッとさせられる作品でした。 (2020年9月13日 2時) (レス) id: ddea58931a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年8月10日 5時
