5 鈍感娘 ページ6
私は変な化物に襲われて、黒髪の人に助けられてから気を失って、病院に運ばれたらしい。
そんなことを聞くと、不意に左目が針に刺されたように痛む。触ってみるとガーゼが張られている。
『ッ……!』
?「左目はあまり触らない方がいいよ。治療したとはいえ、傷は治ってないからね」
『そうなんですか……ところで、貴方たちは誰ですか…?』
夏「あぁ、自己紹介が遅れたね。私は夏油傑」
五「五条悟。はい名乗ったよ。お前は?」
『あ、私はAAで…す………え?』
……夏油って言った?
私が前世で死んで、生まれ変わって理由となる人。そんな重要人物がもう目の前にいる。
思わず目を見開いて、夏油と名乗った人を見る。前世の記憶で見た彼とは違って長髪を結っているし、服も違うから気付かなかった。
夏「?……どうかした?」
『いいえ!ちょっと、嬉しかっただけです。助けてくれて、ありがとうございました!』
夏「いいや、出来ることをしたまでだよ」
五「…カッコつけマン」
夏「うるさいよ悟」
夏油さんがキッと五条さんを笑いながら睨むと、五条さんは舌を出して目を反らした。……見た目はヤンキーみたいだけど、いい人みたい。
すると五条さんはいきなり立ち上がって顔を近づけてきた。サングラス越しでも分かる顔の良さ。……びっくりするほど背が高い。
『わっ、な、何ですか!?』
夏「何してるんだ、悟!驚いているだろう」
五「……何で自分で呪霊を祓わなかった?やっぱりお前、
『「え?」』
私と夏油さんは声を出して驚く。この反応からすると、助けてくれた夏油さんも気づいていなかったらしい。
夏「彼女は非術師じゃないのかい?」
五「違う。間違いなく術式持ちだ。俺の眼なら一目瞭然」
夏「ならなぜ術式を使わない?……まさか自覚してないとか…」
五「ハァ?そんな超鈍感いるかよ」
どうやら私は“非術師”ではないらしい。前世では確か、“非術師”だったから夏油さんと離別する結果になった。……それなら幸運だ!
『じ、術式って何ですか…?!それがあれば、非術師じゃないって事なんですか!』
夏「そ、そうだよ。その術式を持っていれば、あの化物……呪霊を祓えるんだ」
五「……こいつマジでこの年で自覚してねーのかよ」
分かりやすく五条さんから引かれた。……そんなに変なことなのね。
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作者名:無名 | 作成日時:2021年1月2日 3時