今世の花火は嫌いじゃない (ページ11)

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１０転校生ページ11

『……へぇ、東京にもこんな自然豊かな場所があったんだ』

夜「前を見て歩け。転けるぞ」

『あ、はい!…夜蛾先生、次はどこに向かっているんですか?』

家を出て数時間後の昼間、車に運ばれるがまま東京の呪術高専へ連れてこられた。そこでは私の担任だという夜蛾先生が待っていて、今は構内の案内をしてもらっている。

夜「教室だ。一年生を紹介する。Aを含めて四人だ」

『ほうほう………え、四人!?』

夜「四人だ」

あまりの少なさに一瞬声を荒げた。

でも確かに、呪霊が見える人は数少ない。私も前世では知らなかったし、何なら今世でもつい最近までは見えなかった。

『……でも確かに、少ないのも当然なのか…』

夜「そうだ。そろそろ教室に着くぞ。軽い自己紹介は考えておけ」

『は、はい!』

木造の和の建築の廊下を二人で歩く。すると一つの扉の前で先生が足を止めて、私に話しかけてきた。

夜「ここの教室だ。もう入るが、いいな？」

『はい!大丈夫です』

私の返事を聞くと、夜蛾先生が教室の扉をガラガラと引いて中に入っていく。私もそれに続いて歩く。

中に入ると教卓と4つの机があり、そのうち3つの席に女の子と夏油さんと五条さんが座っていた。

夏「あ、来た来た。久しぶりだね」

『お、お久しぶりです!夏油さん』

家「わーお、本当に女の子だ。やったね。これでやっと共通の話ができるわ」

五「マジで来たんだ。ウケる～」

夏油さんは私を見ると笑って迎えてくれた。五条さんにはなぜか笑われたけど……。そして女の子は表情は真顔のままだけど、嬉しそう。多分この女の子が硝子っていう子かな…?

夜「もう分かっていると思うが、転校生を紹介する。じゃあ自己紹介、よろしく」

『あ、はい!私はAAです。まだ術式も呪霊の事もあまり分かっていないけど、これから学んでいこうと思います。よろしくお願いします』

夜「……てことだ。お前らと違ってAは超初心者だ。だからお前らはAをゴリゴリしごいてやれ」

『え”。しご……』

今、少し恐ろしい言葉が聞こえた気がしたけど、きっと気のせい…。

でもあの呪霊と戦って夏油さんみたいに強くなるには、しごかれるのが一番いいんだろう。覚悟は決めてる。

私は強くならなくちゃ。