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「あ、ど、どうぞ!!」
どこか緊張してるせいか手が震える。
……絶対、迷惑だ。
あーもう、なんでこんな時に……。
早く逃げ出したいと思っていたその時。
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『外、雪降ってるし寒いですよね。』
彼が話しかけてくれた。
しかも"俺が冷たい飲み物頼んじゃったからきっと手かじかんじゃってますよね。"
って優しさが溢れ出てる。
「い、いえいえ!!!全然そんなことないです!!むしろ、パインジュース好きなのかなって。」
『あ、バレちゃったか〜!!』
"あちゃ〜"って目をぎゅっと瞑った表情。
やばい。可愛い。
好きが募る。
「きっと、こんな雪の中パインジュース目当てで来店してきてくださったからガチ勢ですね。」
ふと、常連さんの方に目線を向けると
ぱちぱちって効果音がつくくらい瞬きしてて
『笑ってくれた!やっぱり笑った方が素敵だね!!』
私のことを全部最初から見透かしていたみたいな口調で、また微笑む。
『打ち解けたところで1つ質問。
名前は何ですか??』
……名前は、
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「……柊Aです!」
なんだか、こんなに幸せになってもいいのかな。
てるてる坊主って、もしかして幸運を運んでくるハレルヤ神様だったりするのかな??
嬉しさで胸がいっぱいだ。
『Aちゃん。可愛いね!』
「いやいや、そんな!
あ、有岡くん!!って呼んでもいいですか?」
『いいですよ。』
今日はやっぱり幸せ日和だ。
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作者名:おはな | 作成日時:2017年12月10日 12時