ホントはスキなんだけど… (ページ22)

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お泊まりセットページ22

玉森君を送り届けて

あ、玉森君の車で来ちゃった
どうやって帰ろう？

なんて考えてると

裕『何やってんの？早く降りたら』

早く降りろと言われても、私どうやって帰るの？

考え込んでると車を降りた玉森君が、運転席の方まで来てドアを開け

裕『早く』

手を伸ばし私の二の腕掴んて降ろそうとするから

「えと、どうやって帰ろう」

玉森君を見上げながら言うと

裕『え、明日仕事行く前にAん家寄ってくよ…てかそのつもりで送ってくれたんじゃないの？』

玉森君たら不思議そうな顔で言ってくるから

そうなんだ…って頭捻りながらやっと車から降りるんだけど…私今部屋着だよ？

こんなんでお母さんやお父さんに会えないよ…

その場で立ちすくんでいると

裕『何？もぅ親父もお袋も寝てるし…
明日だって朝早くでかけるようだし』

そう言って私の腕引っ張って
玄関の鍵開けて家の中に入っちゃった…

ホントに良いのかなぁ…
だってお泊まりだよ？

まだボーッと玄関で立ちんぼうしてると
車庫に車の入る音がして

裕『あ、俊帰ってきた…ほら早くｯ…』

腕を掴まれぐいぐい引っ張られるから
玄関マットの所に足引っかけてよろけちゃって

裕『ｯ…と、何やってんの』

「え、」

何やってんのってあなたが引っ張るからでしょう！…って言いたかったけど、こんなところでさ痴話喧嘩なんかしてたら、お母さん達にきかれちゃうし…

だからグッと我慢して、玉森君の後を付いて行ったの

そして玉森君の部屋に入ってから

「あｯ…」

裕『ｯ…て今度は何？』

忘れてた…私今日女の子の日だよ？あれ持ってないじゃん

「やっぱり帰る…玉森君車貸して」

裕『は？』

また眉間に皺寄せながら怪訝そうに見てくるから

「あれ…持ってきてない」

あれとは？みたいな顔してたけど

裕『あぁ、ナプキンか…って、俺の車にあるんじゃない？お泊まりセットの中に』

そうだった

頻繁にお泊まりするようになって、お泊まりセット作ったんだった

裕『持ってきてやるよ』

そう言って部屋を出て行った玉森君と入れ替わるように、いきなり開いたドアから顔を覗かせたのは

俊『Aちゃん…良かった
会社の話聞かせて』

「会社って私の？」

就活ってやっぱりホントだったんだ

さっきは暗くて分からなかったけど、髪色暗くなってる

なーんて考えてと玉森君が戻ってきて
プリプリしながら俊ちゃんのこと追い出してる