55 ページ6
・
YOU SIDE
・
夢なんじゃないかと思った。
好きな人に好きと言われる、ただこれだけのことがこんなに嬉しいなんて知らなかった。
どれだけ近くにいても、体を重ねても、テヒョンイオッパと私の思いが通じることはないと思っていたから。
振られる覚悟で思いを伝えようとしていたのに、私のことを好きになってくれたなんて。
TH「Aは、俺のこと好き？」
私を抱きしめたまま、低くて優しい声で囁くから、自分でもびっくりするほどくすぐったい。
まだ涙が止まらず声を出すことが難しい私は、必死に頷く。
TH「よかったぁ…ここで好きじゃないとか言われたらめちゃくちゃかっこ悪いし笑」
パッと体を離して、嬉しそうに笑うオッパ。
オッパが嬉しそうな時、楽しそうな時、幸せそうな時…あの四角い口で笑う、あの顔。
こうやってまた私はあなたの虜。
TH「そろそろ泣き止んでよ〜〜俺、Aの笑った顔が見たい」
「…む…り、です…嬉しくて…っ」
TH「Aの口から好きって聞きたいんだけど？」
「好…き、です…」
顔真っ赤だろうな、って自分でわかるほど顔が熱くて、それを見られていると思うと本当に恥ずかしくて顔を手で覆うとすると、その手を簡単に片手で押さえるオッパ。
TH「だーめ」
「見ないでください……っ」
TH「何言ってんの、こんなに可愛いのに」
そう言って顔を近づけるオッパ。
ギュッと目を瞑ると唇に柔らかいものが当たって、それは ちゅ、っと短い音を立てて離れていく。
TH「もう、いいよね？俺のなんだから」
「え？」
TH「俺のなんだから、もうAを俺の好きにする」
目の色を変えたオッパは、さっきのキスが嘘みたいに下を絡ませてくる。
息ができなくて、頭がボーっとするくらいのキス。
でも、オッパを全身で感じることができるこの苦しさが、驚くほど心地が良かった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 694人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユミン | 作成日時：2020年4月25日 21時
