キムテヒョンのお気に入り 2 (ページ12)

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番外編② ページ12

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YOU SIDE(3年後)
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付き合って2年ほど経った時に同棲を始めた。
高層階だから空が近くて、夜景が綺麗だ。

今夜は空が吸い込まれそうなほど暗くて、そこに光る月と星が本当に綺麗。

「綺麗…」

TH「A？何してるのー？」

「みてみて、すっごく空が綺麗なの。」

ベランダで空をボーって見ているとテヒョンアが声をかけてくる。

TH「本当だ！…だから眺めてたの？」

「そう！ずっと見ていられる…」

こうやって夜風に吹かれながら好きな人と綺麗な夜空を眺めて。幸せだ。

TH『月が、きれい、ですね。』

「えっ？」

TH「合ってるよね？夏目漱石が言ったの。『月がきれいですね』」

「う、うん、合ってる！」

急に日本語でそんなことを言ってくるから戸惑ってしまう。
流石にわかるよ。“月が綺麗ですね”の意味くらい。

テヒョンアは返しも知っているのかな？

『私死んでもいいわ』

チラッとテヒョンアを見ると目尻を下げて嬉しそうに笑う。月なんかよりもあなたが何よりも綺麗だって、あなた自身は知っているの？

TH「今OKの返事をもらったんだよね？」

「何言ってるの、もう付き合って3年…」

そう言ってもう一度空を眺める。

TH「お互いの気持ちも変わってないし… A。そろそろ結婚しようか。」

ばっとテヒョンアを見るとそこには指輪を持っていて。指輪がキラキラと輝いていた。

TH「左手、出して？」

「…うん…っ」

TH「ふふ、ぴったり。A。俺と、結婚してください。」

「はい…！！」

返事と同時にぎゅっと強く抱きしめてくれるテヒョンア。夜風と共に揺れる髪の毛。その風に乗ってくる落ち着く匂い。少し肌寒いからこそいつもよりもテヒョンアの温もりが伝わってくる。

TH「A、肩冷たいんだけど。泣いてるの？笑」

「ごめん…嬉しくて…でも私の肩も冷たいよ？」

TH「恥ずかしいから見ないでね、しばらくこのままでいて」

泣いている顔を見られたくないようで絶対に私を離してくれない。

「もう…笑」

私も出来る限りの力で強く強くテヒョンアを抱きしめ返す。足りない。もっと強く…

夜空が不思議なくらい綺麗で、不思議な時間が流れているような、そんな日。韓国人のあなたが日本人の私に日本語で愛を伝えてくれた。
私にとって、一生忘れない日になった。

ありがとうテヒョンア。愛してる。

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