瀬見さんの秘密 (ページ31)

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叫び五つページ31

- 瀬見英太 said

ウチに運ばれたA

ジャージを畳み、その上にAの頭を乗せ未だ気絶したままの彼女を見る

監督の粋な計らいで練習も中断されている。

｢ねぇ、英太クン。この子の尋常じゃない程の傷や痕について何か知ってるんじゃないの～？｣

｢ …俺も全部を知ってる訳じゃないけど、Aは、後輩マネージャーに、嵌められてまんまと引っ掛かった3年と1年に虐められてる。…Aは、それでも3年マネと2年の奴らを守る為に、我慢…してる｣

Aが我慢して自ら俺の所に助けを求める事が無いのはわかってた
けど、念の為にって頻繁に話を聞いてて良かった。

まぁ、実は _____ と連絡先交換してるから事細かく話は聞いてるんだけどな。

｢は、え…それ、って、｣

｢彼奴らからすれば俺の妹は裏切り者、Aからすれば、大事な人"仲間"らが、裏切り者だ｣

寝不足のように食事すらまともに取ってないんだろう、顔色が悪い妹の頬に手を滑らせる。
最後に会った日よりも元から細い身体も窶れたように細く、青白くなっていた。

｢ …A、もう堪え無くていい、もういい。…もう、俺の居ない所で傷付かないでくれよ… ｣

俺の声が届いたのか、瞼がぴくりと動いた

｢ …おに、いちゃ…ん、？あれ…ここ…は、｣

運ばれて40分弱、目を覚ましたAは俺を呼ぶなり困惑した様に目を丸くしてゆっくり起き上がった

｢白鳥沢…？でも、私最後に、孝支先輩に… ｣

状況が掴めないでいるAを優しく抱き締めて、頭を撫でる
今まで、よく頑張ってきた。偉い、偉いって褒めるように。

｢ A、隠してる事全部言って欲しい。俺達はお前の味方だから、守るから、絶対に、” 裏切らない ” から。｣

兄ちゃんが、守るから、頼ってくれよ。