瀬見さんの秘密

叫び三つ ページ29

- 清水潔子 side


｢澤村、東峰、離して。早く。｣


Aちゃんと無理やり離され、私の家の方へ歩いていく二人の手を払おうとするけどこの二人だ、中々離れない。


｢Aの為だから許してくれ｣

｢ …どういう事？貴方達がAちゃんを苦しめて… そのせいで、｣

｢分かってる、俺達が悪い事してるのは。だからこそ少しAと紗奈ちゃんを離したい｣


頭が追いつかない

何を言ってるの、

さっきAちゃんは菅原に平手打ちをされた
あの子は笑ってくれたけど泣いてた

なのに、菅原と2人っきりなんて


｢ …本当にAちゃんの為なの？菅原はさっき手を出した。2人にさせて痛め付けるなんてしないわよね｣

｢しない。頼む、今だけは信じて欲しい｣


その言葉の後すぐに澤村のスマホが鳴る

｢ …運び終わったって。俺達ももう帰るぞ、この場面を紗奈ちゃんに見られたら元も子もない。部活を早く切りあげた意味もなくなる｣


この時期はすごく忙しくて練習も沢山しなくちゃいけない
なのに3年である私達はここに居る








少しだけ、今だけなら信じてもいいように思えた

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