九十二振目 ページ7
「にっかりさーん。なんか、敵多くない？」
「ふふふっ、気のせいじゃないかな？」
「いやいや、気のせいじゃないって！
ううー、なんで手入れ部屋にも来るんだよー！
酷いじゃないか！」
「うーん、敵にそんな事言ってもねぇ…言葉が通じるとは思えないなぁ」
元気よく愚痴を零しながら、身軽な動きで敵を破壊していく浦島くんに、僕は苦笑を向けながら目前の敵を両断する。骨が砕け、地に落ちた敵を踏み付けると、堅い感触が伝わる。
室内で靴を脱いでいないのは初めてだ。
普段なら怒られるが、まぁ、今は仕方ないよね。
きっと、他の皆だって土足で戦っているんだろう。
踏みつけた敵にとどめを刺しながら、
状況を確認する。
出入口は、とめどなく流れ込んでくる敵の通り道である引き裂かれた襖のみ。
僕と浦島くんがいるのは、手入れ部屋の中。
背後にあるのは壁である。背水の陣、という奴だ。
食後の運動にしては、少々物騒な運動だよね。
もうそろそろ日が落ちる。
そうなれば、外で力を振るう彼等には不利な状況となってしまう。
タイムリミットは、長くてあと一時間程度。
それまでに事態が落ち着けばいいが、大丈夫だろうか。
まぁ、あの刀の事だ。
そんな事も視野に入れての策略だろう。
なら、信じて僕は僕の役目を果たす。
それだけだよね。
「きっちゃうぞー！」
輝かしい笑顔で敵の頭を粉砕する浦島くん。
うぅん、あの笑顔で殺されるのは勘弁したいなぁ。
「おっと、危ない」
目前に短刀の刀身が迫ってくる。
咄嗟に身を引き己を構える。
しかし、目の前を刀の切っ先が通っていく。
その攻撃により切られた髪が部屋に落ちた。
右目が解放感に包まれ、視界が広がる。
……うん、良く見える。
でもなんだか、落ち着かないねぇ。
切られた部分を軽く弄りながら、髪を切った短刀に視線を向ける。
「笑いなよ、にっかりと」
追撃を仕掛ける短刀の一撃を避け、頭の部分に刀を突き刺す。ひびが広がり、敵の姿は掻き消えた。
「にっかりさん、大丈夫？」
「あぁ、心配いらないよ」
.
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黒桜 - そして私は三日月さん推しなので、この作品で死にそうです、、、、ありがとうございます！！！(死亡) (2020年1月19日 17時) (
レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 黒桜さん» 最近来てくださった方ですか！ありがとうございます！！私も最近ゆるゆると続きを書き始めたところですので、もうしばらくお待ち下さい！応援ありがとうございます！！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 - 最近読み始めてここまで来ました！応援してます頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 伊達 光秀さん» わわっ、ありがとうございます！！全然更新出来てませんが、完結まで頑張ろうと思ってるので…気長に待っててください…！！見習いくんは、これからも元気にやってもらうつもりです……。コメントありがとうございました、嬉しいです！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 見習い君が助かってよかった！(泣)めっちゃ面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力組 | 作成日時：2018年4月30日 13時
