百五振目 ページ20
｢まぁ、私も一応刀を持っては行くので｣
そう言って、刀掛けに置いてある太刀を手に取る。
自身の手に良く馴染むのは、ずっと一緒に過ごして来たからか。…付喪は宿っていないが、この刀にもいつかはきっと…彼らのような、優しい神様が宿るはずだ。それまで、大切に使っていかなくては。、
前に襲撃にあった時も、この子にお世話になった。
何かを切る予定で拵えた訳では無いが、驚く程によく切れる。鞘から少し刀身を抜き出すと、美しい光を放つ、綺麗な刀身が目に写った。
｢そういう意味ではなくてだな」
｢鶴さんが心配してくれてるのは分かってる。でも刀剣男士に人間の傷は癒せないでしょう？応急手当をしないと。それに、この本丸内にいるなら私の霊力での手当も効くから、私が向かう方がいいと思う。
あと、正直に言うとね…この状況に飽きてきた」
心配性の鶴さんにそう言うと、彼は諦めたように溜め息を吐いた。その言葉に咎めるように言葉を放つ小夜ちゃん。そして、顔を輝かせる貞ちゃん。
｢…主、前みたいな無茶はしないで。あの時は無事だったから良かったけど……｣
｢伽羅からその時の主の武勇伝を聞いたんだけどよ！ほんとに、主って凄いのな！俺ももっと強くなるぜ！強くなって、主を守れるようになるからな！」
そう言って意気込む貞ちゃんの頭を撫で、成長した我が子を見守るような目をしている鶴さんを見詰める。行こうか、と一言 言うと三振りとも良い返事を返してくれた。心配性の鶴さんに、一応結界は張っておけ。と言われたので素直に指示に従う。
｢もうすぐ夜が来る。一応、夜目が効くようになる術もあるんだけど、必要ないかな｣
｢…まぁ、闇の中でも全く見えない訳では無いからなぁ、高練度の奴や戦慣れした刀も多い。今は大丈夫だろう。無駄な霊力の消費はなるべく控えた方がいい。外には伽羅坊もいるしな」
｢そうだよ主、無理はしないで｣
｢鶴さんの言う通りだぜ、夜は俺達の得意分野だ。得意な刀にその場を任せた方がいいと思うぞ？｣
自分の身を気遣う言葉に礼を述べ、部屋に掛けた結界を解く。襖に手を掛ける鶴さんは警戒するようにしばらく外の気配を読み取り、短刀二人に目配せする。こくりと頷く二人は私を囲み、刀を手に握った。
｢俺が先陣を切る、二人は主を守ってくれ｣
｢わかった｣
｢あぁ、任せろ！｣
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黒桜 - そして私は三日月さん推しなので、この作品で死にそうです、、、、ありがとうございます！！！(死亡) (2020年1月19日 17時) (
レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 黒桜さん» 最近来てくださった方ですか！ありがとうございます！！私も最近ゆるゆると続きを書き始めたところですので、もうしばらくお待ち下さい！応援ありがとうございます！！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 - 最近読み始めてここまで来ました！応援してます頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 伊達 光秀さん» わわっ、ありがとうございます！！全然更新出来てませんが、完結まで頑張ろうと思ってるので…気長に待っててください…！！見習いくんは、これからも元気にやってもらうつもりです……。コメントありがとうございました、嬉しいです！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 見習い君が助かってよかった！(泣)めっちゃ面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力組 | 作成日時：2018年4月30日 13時
