九十九振目 ページ14
大倶利伽羅と分かれ、配置に着いた和泉守はぐるりと辺りを見渡し、それから軽く息を吐いた。
「敵の姿無し、こっちは外れってわけかぁ？」
はぁー、と深い溜め息を吐き刀を鞘に納める。
「ま、あいつなら一人で大丈夫だろ、加勢しに行ったら余計な事をするな、とか言って睨まれそうだ。
………それにしても……なんか、引っかかるんだよなぁ…」
それがなにか、わかんねぇけど。と零し、地面にどっかりと座り込む和泉守だったが、警戒は緩めること無く視線を辺りに巡らせる。
しかし地面よりも屋根の上からの方がよく見えると閃いた和泉守は、周りに茂る大木に手を掛け、軽い身のこなしで蔵の上に立った。
和泉守が想像していた通り、辺りがよく見える。
「ここから政府の野郎が見えたりしねぇかな〜」
目を細め、隅々を舐めるように見渡すが、特に変わったところは無いように見えた。
「ま、ここから見える所に居たら驚きだわなぁ」
仮に見付けたとしても、捕獲は燭台切の仕事だ。
余計な真似はしない方が自分の為だ。
…怒ると怖いんだよなぁ………
之定と仲がいいから奴を怒らせると之定も怒るし…
「あー、考えただけでも鳥肌が…
……っと、、あれは…………おいおい、嘘だろ…」
「和泉守！聞こえるか！！」
俺が上に居ると気付いていたのか、大倶利伽羅が俺の名を呼びながら、屋根の上に姿を現す。
いや、聞こえるか。って…会いに来てくれたならそんなの聞く必要ねぇじゃんかよ…
「……おい」
「………何か、くるぞ」
「…なぁ」
「…………なんだ」
「…なんで、猫」
「そんな事よりも今はいくさに集中だろう」
「俺的には、大倶利伽羅の抱えている猫の方が気になるんだが……？」
ようやく俺と目が合う。暫くの間があり、大倶利伽羅は舌打ちをした。そして、少し待っていろ。と呟き、姿を消す。
文字通り、その場から一瞬にして大倶利伽羅そのものがいなくなる。しかし、いなくなったのも一瞬で次の瞬間にはもう、猫を抱いていない状態の大倶利伽羅がそこにいた。
「…初めからそうすりゃあよかったのによ」
「うるさい」
まぁ、一番安全なのは自分の
もし主が危なくなったら、隠すか。
………いや、鶴丸や三日月の爺さん、三条の連中が怖いから辞めておこう。
そもそも、長い間あの主と一緒にいるが、危ない状況にあうところなんて、見たことねぇしな。
.
加州極しんどい…
千代金丸捕獲しました。
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黒桜 - そして私は三日月さん推しなので、この作品で死にそうです、、、、ありがとうございます！！！(死亡) (2020年1月19日 17時) (
レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 黒桜さん» 最近来てくださった方ですか！ありがとうございます！！私も最近ゆるゆると続きを書き始めたところですので、もうしばらくお待ち下さい！応援ありがとうございます！！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 - 最近読み始めてここまで来ました！応援してます頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 伊達 光秀さん» わわっ、ありがとうございます！！全然更新出来てませんが、完結まで頑張ろうと思ってるので…気長に待っててください…！！見習いくんは、これからも元気にやってもらうつもりです……。コメントありがとうございました、嬉しいです！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 見習い君が助かってよかった！(泣)めっちゃ面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力組 | 作成日時：2018年4月30日 13時
