九十七振目 ページ12
｢その莫大な結界を二つ。いや、本丸中の結界を合わせると数十を超える結界を維持するのには沢山の霊力を消耗する。勿論、結界を張るのにも霊力を使うし、なんなら俺達がこの体を保つのにも霊力は消費されている。…言いたいことは分かるか？」
｢主の霊力が持たないとでも言いたいのか｣
大包平が唇を噛み締め、手を強く握る。
早く方を付けなければ、そう決意した大包平だったが、鶯丸の一言で怒りの声を上げることになる。
｢いや、あの主の霊力は底無しだ。逆にどんどん湧いているのではないか、と疑わしい程だ。無くなる可能性があるとしたら、あの主が死んだ時くらいだろう」
｢ならば！！なぜいま！！その話をした！！！」
耳元で怒鳴り上げた大包平。鶯丸は耳を抑えながら、五月蝿い、と眉を寄せた。すまん、と素直に誤った大包平は軽く息を吸い、思考する。
兄の意思を読み解こうと頭を働かせる大包平だが、鶯丸の言いたいことを理解出来なかった。
｢このまま中々決着が付かなければ、出来る事をやって満足しこの状況に飽きてきた主が暴走する恐れがある、と言うことだ。なんで分からないんだ大包平｣
やれやれ、と肩を竦めて見せた鶯丸に大包平は目を丸くし、は？と間抜けな声をあげた。
｢それはつまり、あの主 自ら敵を迎え撃つ可能性がある、と言うことか？｣
｢前に一度襲撃を受けた際も、あの主は我慢出来ずに敵大将の首を自ら捕りに行った。まぁ、敵の数は今の半分以下だったが」
｢いやいやいや、一度襲撃を受けた話など、聞いたことが無いぞ！？｣
｢この本丸が始動してまだ日が浅い頃だったからなぁ、俺がちょうど顕現して数ヶ月、といったところだったか？あの主はまだ俺の腰辺りの身長だった頃の事だな、あの頃の主は大層愛らしく、良く縁側で茶ァを飲んでいた。俺の膝の上が好きでなぁ」
｢話が逸れている｣
昔話を嬉しそうに語り出す鶯丸に、大包平は冷たい視線を向けた。孫の自慢話をして喜ぶじじいか、と。大包平は溜め息を吐いた。
｢結論だけ言うと、主が外に出て暴れ出す前に俺達で決着をつけよう。とそういう事だ｣
｢前置きが長かったんだが」
｢まぁ細かいことは気にするな｣
どちらにしろ、もう日が暮れる。
辺りが見にくくなれば、勝負は不利になるだろう。
早くこの戦を終わらせる、と言うことに大包平は賛成であった。
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黒桜 - そして私は三日月さん推しなので、この作品で死にそうです、、、、ありがとうございます！！！(死亡) (2020年1月19日 17時) (
レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 黒桜さん» 最近来てくださった方ですか！ありがとうございます！！私も最近ゆるゆると続きを書き始めたところですので、もうしばらくお待ち下さい！応援ありがとうございます！！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 - 最近読み始めてここまで来ました！応援してます頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 伊達 光秀さん» わわっ、ありがとうございます！！全然更新出来てませんが、完結まで頑張ろうと思ってるので…気長に待っててください…！！見習いくんは、これからも元気にやってもらうつもりです……。コメントありがとうございました、嬉しいです！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 見習い君が助かってよかった！(泣)めっちゃ面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力組 | 作成日時：2018年4月30日 13時
