コルチカムの少女 (ページ15)

今日:5 hit、昨日:13 hit、合計:13,176 hit

ソノ１２ページ15

シグマside

『全員壁に寄って！あと、絶対何があっても叫ばないで！』

そう言ってドア側の壁に背を預けるようにして座り、すぐさまドアに御札を1枚貼った。

そしてもしものために、左手にさっきの棒を持ち直す。

それを見たメンバーも意図を読み取ったらしく、
私の右隣にマサイ、左側にドアを挟んで
シルク・モトキ・ダホ・ぺけが座る。

・

・

・

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

めちゃくちゃにドアノブを回され、叩かれる。

あいつだ。あのフードのやつ。

扉1枚隔ててめちゃくちゃ気配を感じる。

ダホが両手を口に当て、叫ばないように必死に抑える。

マサイも、声こそはあげないものの、私の手をぎゅっと握る。
その手が微かに震えている。

しばらくすると、諦めたのかピタッと音が鳴り止む。
だけど、気配はまだある。

・

・

・

・

ドスッ

突然、私の顔の左横を何かが掠めた。

『え？』っと思い、恐る恐るその方へ振り向く。

そこにあったのは…………………

目

嘘、訂正。

刃の側面に写る私の目だ。

フードのやつが、ドアに刃物を突き刺したんだ。

メンバーＮｏ．２のノーリアクションと言われる私でも、さすがにこればっかりは
驚きで喉をヒュッて鳴らしたし、マサイの手をぎゅっとより強く握った。

というかこの刃物、固まった血みたいなのが付いてんだけど。

次第に、ゆっっくりと刃は抜かれていき、反対側にいたシルクたちと目が合う。

全員、突然に刃物を突き立てられるなんて思っても無かったもんだから、
目をかっ開いて、口をあんぐりと開けてる。

やがて、とうとう諦めたらしく、あのフードのやつがドアの前から離れて行く気配がした。

『………もう大丈夫。あいつは行った』

そう言うと、緊張の糸が切れたのか全員が
「はぁ〜」と肩の荷を下ろした。

ダホなんて、床に仰向けで寝っ転がってる。