カシスソーダwith黒い魚 ページ40
ザカオside
あの1万人鬼ごっこを終え、大阪から東京へと帰る新幹線の中。
流れてく景色を楽しんでいると、ふと肩が重くなったのを感じた。
顔をそっちへ向けてみると、シグマが俺の肩にもたれかかって寝ていた。
(めちゃくちゃ頑張ってたもんな〜)
あの炎天下の中、後半になるにつれてバッテバテになる俺らに対して、
シグマはラスト5分になるまで全速力で追いかけてた。
もちろん、挑戦者の人たちやメンバーへの気遣いも忘れずに。
(ただ、あん時のこいつの顔にはビビったな)
それは、オープニングの際にメンバー1人ずつから決意を言っていく時のこと。
モトキが話終わった次に、こいつはいつもの笑顔で話し始めた。
『んー。たぶん、ここの会場にいる人たちの大半は、私には捕まりたくないって思う人が多いと思うんだよ。色んな意味で。
まぁ、気持ちは分からなくも無いけどね。
………でも』
ここで、こいつから笑顔が消えた。
『今日ばかりは、いつもの優しいシグマさんじゃないから。あたりまえだけど、全力で行かさせてもらうね?
この会場にいる人間全員捕まえてやる
覚悟しなさい』
その瞬間、こいつの顔は完全に捕食者のそれと同じだった。
それを見た俺は、全身の毛がぶわっと逆立っていくような感じがした。
こいつは、女子だからといって、ハンデを貰って勝負するのをめっちゃ嫌う。
それは、この時もそうだし、今までの動画でもその様子が分かる。
でも、こいつはそれで負けた事があまりない。
むしろ、アスレチック鬼ごっこだと、あのシルクに2,3回くらい勝ったことがある。
でもそれは偶然の事じゃなくて、体力の差がある分を、逃げ方を工夫することによって補っている。
だから、こいつの逃げ方はいつ見ても驚かされる。
まぁ、元から運動神経はいい方だと思うが、それでも女子と男子の差がある。
Fischer'sの中で唯一の女子。
そんな異色の存在であるこいつは、俺らと対等になる為に、みんなの見えないところで努力してる。
だから、たとえ普通の女子が嫌がるような企画でも、体を張って挑戦する。
(本当にお前は凄いやつだよ)
メンバーに見られてないのを確認して、彼女の手をとる。
「俺はそんな頑張り屋なお前が好きだ」
そう言って、手の甲にキスを落とした。
………あと、こいつの髪がもうちょっと短ければ完璧なんだけどな。
ー ー ー ー ー
意味
手の甲…敬愛
カシスソーダ…あなたは魅力的
61人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりりん(プロフ) - 澄葉夜さん» りょうくん好きです…!(笑) (2019年11月26日 18時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
澄葉夜(プロフ) - ゆりりんさん» 不思議な事に全然当たらないんですよね……。代わりに、東海オンエア賞は4回当たりましたwww (2019年11月26日 16時) (レス) id: f7693f343f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - フィッシャーズ賞、当たりませんでしたか〜…。私は二回目で当たりました(笑) (2019年11月26日 15時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続編おめでとうございます! シグマちゃん、かわいくて好きです♪ (2019年11月26日 14時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - やっぱりシルクは、キュン!キュンの集合体です(?) (2019年11月22日 22時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澄葉夜 | 作成日時:2019年10月8日 18時