"南半球のクリスマススカイ"と"シャム猫の澄んだ瞳"

★〈お礼〉 ページ13

シグマside


りょう「シグマちゃん……もしかして、緊張してる？」

『えっ？』

りょう「いや、この前もそうだったけど、普段動画で観てる時より大人しいなーって」

『まぁ、このような機会滅多にないので……』


パスタについてきたスープを一口飲む。


りょう「そう固くならなくていいよ。歳も、1歳しか違わないんだし」

『でも、先輩であることには変わりませんよ』


りょう君がちょっと驚いた顔をした。


りょう「意外としっかりしてるんだね」

『ありがとうございます』


意外と……に若干引っかかったが、それはスルーで。


『さすがに、あのテンションでここには来れないですよ』

りょう「なんで？」

『だって嫌じゃありません？女性があんな感じだと』

りょう「そうかな？俺は、あっちのシグマちゃんの方が生き生きしてると思うし、
その時の笑顔の方が可愛いよ？」


………驚いた。

「女性としてどうなの？」とか、動画でそういったコメントが結構あるから、
結構気がかりだったんだけど。


りょう「確かに初めて会った時と、この前の送ってもらった時は驚いたけどね」

『………その節はすみません』

りょう「良いよ良いよ。そのおかげで助かったんだし、
コラボの時だって、ノリが良くて話しやすかったし」


ニコッと笑いかけてくれる。

あまり褒めなれてないからか、
自分でも、ちょっと顔が赤くなるのがわかった。


『あ、ありがとうございます』

りょう「うん。あ、ほらここついてる」


と、りょう君は、口の端に付いてたパスタのソースを指輪で取ってくれた。


このシーンだけ切り取りとると、ただのデートしてるカップルだ。


『………やっぱり、りょう君は女慣れしてますね』

りょう「え。やっぱりって？」


………ちょっときゅんとしたのは、一生言わないでおこう。


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その後、せっかくだから、りょう君に岡崎を案内してもらった。


りょう「楽しい？」

『はい。とても』


スマホ片手に、色んな写真を撮っていく。


向こう(東京)にはない貴重な景色。

イラストの参考にさせてもらおう。


？「ん？りょう？」


背後から、めちゃくちゃ聞きなれた声が聞こえた。


『てつや君と、としみつ君？』

としみつ「え！？シグマちゃんもおる！」


声の正体は、てつや君ととしみつ君だった。


話を聞けば、2人でラーメンを食べに行った帰りらしい。

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