7話 ページ9
「実は、今年の文化祭、去年の絵の評判よかったから自分ン作品増やさなアカンて灰呂先生に言われてん。
…でも、いつも風景やら植物やらでひねりがない言われて…だからたまには数枚くらい人物描いたらええんとちゃう？と言われて二人に頼みたいと」
…よくわからん。
「それはええけど、なんで俺らなん？」
「ちょお、治!! お前なんてこと言うねん！」
いや、純粋な疑問やん。
要はモデルになってくれ、やろ。
それは別に構わへんけど、御黒さん、俺らのことそんな知らないのに、なんで、と思うやん。
俺の言葉に侑が怒ってるけど、ただ純粋に、そう思っただけ。
すると御黒さんはいつもの調子で答えた。
「モデル、誰がええです？ って聞いたら美術部員と灰呂先生に“宮兄弟描けば正解やろ”って言われた」
「えぇ…」
御黒さんの意思やないんかい。
思わず声が漏れる。
しかし侑は相当嬉しいようで
「ええですよ!!よろこんでやります！ な、治!!」
「…」
目を輝かせながら快く御黒さんの願いを聞き入れる。
俺はまあ、別にモデルくらいなら…と引き受けた。
すると御黒さんは優しい声色でありがとさん。という。
…真顔だが。
「…それで？ バレー部にも用がある言うてたな」
一体何なん？
そう言うのは主将の北さん。
大抵の生徒は北さんと対面するとき謎の威圧により緊張するようなのだが、御黒さんはやはり普段と変わらなかった。
これも文化祭の話なんですけど、と切り出し、続ける。
「掛け持ちしているミュージック同好会で演奏する曲があるんですけど、今どきの曲やアニソンやらボカロと交えてオリジナル曲入れる予定なんです。
で、歌詞内容、曲調を青春スポコンもの風にしたいんですけど…中々決まらなくて。
曲のモデルがいればイメージ湧くかな、と」
ということをたまたま黒須先生と話しとったらバレー部モデルにしてええよ。と言っとったので、バレー部員に許可をもらいたく来ました。
御黒さんの言葉に皆が色々突っ込みたくなる。
監督何勝手に決めとんねん！
…いや、でも勝手に決めとることを知っとったからわざわざ許可取りに来てくれたんよな…。
ていうかオリジナルて、御黒さんが作るん？
俺がそう言うと御黒さんはおん。 と言った。
「まあ、ミュージック同好会やし。 作詞作曲、演奏、歌くらいはせんと」
レベル高すぎやろ。
俺らは彼女のすごさを実感した。
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彼岸花(プロフ) - たまごぼーろ。さん» ファッ!!ありがとうございます!!消さないように大いに進めていきます…!! (2018年6月30日 6時) (
レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - 新作おめでとうございます！！今回も面白くなりそうですね！更新頑張ってください！ (2018年6月29日 7時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2018年6月28日 23時
