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4話 ページ6

―――昼休み

「どういうことやねん!」

 購買で買った、焼きそばパンを握りしめ、そう叫ぶ侑。

「どうしたんだ、侑のヤツ」


 銀島(ぎん)は持参した弁当を頬張りながら俺と侑を交互に見た。
 そしてにやにやとしながら角名が口を開く。


「侑の大好きな御黒さんが髪染めてバッサリ切っちゃったんだよ」


 この辺まで!と言うように鎖骨あたりで手をヒラヒラとさせる角名。
 ……でもあれ前下がりやから前は鎖骨あたりでも後ろは結構短いよな。
 前髪も綺麗なパッツンだったのをイマドキなアシメにしとったし。


「もう…もうアカン…」


 しんどすぎるわ、と唸る侑にアラン君が笑う。


「まあ、好きな子がガラッと変化するとちょい複雑な気持になるよな〜」


 チラッと見たけど大分雰囲気違ってたわ。
 アラン君が続けざまにそういうと、侑は俯く。


「そんなにショックなん?」
「だってあんなん…あんなん…!」


 いつにもまして真剣な顔つきの侑を見て、皆に緊張が走る。
 …どうせしょうもないことやっていうんに。


「―――可愛すぎるやんっ!」


 ほらな。

 ガクッと皆が肩を落とす。



「そっちかい」


 アラン君がそう言うと、侑は興奮気味に語りだした。



「いやだって!日本の城に住んでそうなくらい大和撫子な御黒ちゃんが銀髪やで!?どこの王国のお姫様や! 好き!!!」


 いやもうお前の語彙力可笑しい。
 角名にそう言われ、喧しい!とすぐに返す侑。
 俺はメロンパンを頬張り、面倒くさいが話を聞いていた。

 侑の、御黒さんラブは今に始まったことやないし。


「もーなんなん…天界から迷い込んだ天使なんか? たまらん」


 はーーッと幸せそうなため息を盛大に吐く侑。

 頭の中がお花畑すぎて逆に羨ましい。
 ズゴーッと残り少ないイチゴオレを飲み干し、俺は侑に突っ込む。


「そんだけ好きならはよ告ればええやん。 つか、侑御黒さんと話せてるん?」


 その言葉を聞いた途端、侑は耳まで顔を真っ赤にした。
 そして手で顔を覆い、そんな恐れ多いこと出来ひん…とデレデレとし始めた。

 これだ、これなんや。



「お前のそのヘタレはなんなん…」

「他の女子とは話せとるやん」


「え? 御黒ちゃん以外に女子なんております??」


 なんなんやコイツまじで。
 そんな奥手なんてキャラやないだろうに。

 昼休み終了5分前のチャイムが鳴り、一旦お開きになった。


 ああ、五時間目だるいな…。

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彼岸花(プロフ) - たまごぼーろ。さん» ファッ!!ありがとうございます!!消さないように大いに進めていきます…!! (2018年6月30日 6時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - 新作おめでとうございます!!今回も面白くなりそうですね!更新頑張ってください! (2018年6月29日 7時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年6月28日 23時

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