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1話 ページ3

1年の時は部活の仲間に会うこと以外でほとんど来ることのなかった2年のフロア。
 今日から俺も晴れて2年生になれたということで、指定された教室に入る。

 中には何人か、というより半数以上人がいて、扉を開けた拍子で注目を浴びる。
 特に、女子の視線が、気持ち悪いほど向けられた。

「おはよ〜治ぅ」
「同じクラスになれて嬉しい〜」

 女子の猫撫で声に思わず顔が引きつる。
 あからさまに向けられる好意。

 けどあの女たち(ああいうやつら)は結局俺を侑の代替品としか見てなくて、良くて“俺と付き合えている”ってレッテルが欲しいだけの女たちばかり。


「……気持ち悪いねん」

 ボソッとそういう。

 人に優しく、とは思うけど、正直ああいう好意は好かん。
 俺は、俺だけを一途に思ってくれる子がええねん。
 俺と、侑を重ねてこんやつがええねん。

 はあ、とため息をし、あたりを見渡す。
 そして、少し違和感を覚えた。



「……あれ、御黒さん、今日は遅いんな…?」

 いつもこの時間には絶対にいるのに。
 いくら探しても彼女はいない。

 …と、突如後ろから声をかけられた。

「第一声がそれかよ」


 ククク、と背後で笑うのは同じバレー部の角名。
 いつの間にいたんや、ていうか、同じクラスなんかお前。


「なんや、悪いか」


 急に現れたことと、からかわれているようで少し腹が立ち、低めの声でそういう。
 すると角名はイイエナンデモ、と悪びれもなさそうに自分の席へ向かった。

 ……別に好きで探しとるわけやないし、ただ侑がうっさいから代わりに観察しとるだけやし。

 もんもんと考えながら席に着くと、女子たちに群がられた。
 鬱陶しい。
 新学期もまたこんなのが続くのか。


 はあ、と再びため息した瞬間―――


 ――ガラッ。


 教室に、見慣れない髪色の女子が入ってきた。


 騒がしかった、皆の動きが止まる。



「……?」



 困惑。

 その言葉を今使わずにいつ使うというのだ。


 教室に入ってきたのは銀髪の美少女。
 髪は前下がりのミディアムで前髪はアシンメトリー。

 え、誰?こんな子同学年にいなかったよな?


 そして次の瞬間、その少女の行動に皆が更に困惑した。



「……え、そこ、御…黒さんの席…?」


「え?」


 困惑の声の後、恐る恐る、クラスメイトの1人が銀髪の少女に声をかける。


「あの、も、もしかして、御黒さん…?」

「…?おん…?」



 息が止まった。

 

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彼岸花(プロフ) - たまごぼーろ。さん» ファッ!!ありがとうございます!!消さないように大いに進めていきます…!! (2018年6月30日 6時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - 新作おめでとうございます!!今回も面白くなりそうですね!更新頑張ってください! (2018年6月29日 7時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年6月28日 23時

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