11話 ページ13
俺の言葉に特に反応せず、真顔でそう。 という御黒さん。
他人に対して綺麗やって思うのは御黒さんだけやで、と思うとまた御黒さんへの感情が分からなくなる。
もやもやとしていると、御黒さんが口を開いた。
「…まあ、モデル引き受けてくれたし、別にこれくらいなら答えてもええかな」
髪をくしゃくしゃとしながら、御黒さんは続ける。
「朝“反抗期”って言ったやん？ あ、そん時聞いとった？ まあ、言ったんやけど」
朝俺が聞いていないかも、と思った御黒さんはそう言いなおし、また続ける。
「うち家、神社なんやけど、跡継ぐはずの兄貴が放棄してな。 自分が継ぐことなってるらしいねん」
そう他人事のように言う御黒さんに俺はめっちゃ驚いた。
御黒さんのプライベートは、謎に包まれている。
故に俺やって学校以外のことは何も知らん。
まさか実家が神社なんて。 ていうか、そもそもこんなに喋っている御黒さん自体が初めてや。
「…で、基本放課後やら休みの日は神社の手伝いせなアカン言われてるから部活もほとんど参加せんし、帰ってんねん。 けどまあ、家で部活提出用の絵を描いたり作詞作曲、ギターやろうものなら父さんにめっちゃ怒られるしなあ」
ええ…こんな可愛い娘のやりたいことやらせんの、お父さん…。
ちょっと厳しい人なんかな、と思っていると、御黒さんはまた、どうでもよさそうに続ける。
「実家が実家やし、跡継ぐのも、その前に手伝うことも別に構わへん。
けど縛られすぎかなって思って反抗したらまたそれも怒られてなあ。
聞く耳もたん、って感じやったから反抗して髪切って染めてん」
巫女やるにも手伝いするにも、短くて髪色黒じゃなきゃ神社の印象に影響与えて都合悪いやろ。
それを聞いて俺はなんて大胆な反抗や…と思った。
朝言ってた反抗期って、こういうことか。
そら、やりたいことダメ言われて縛られすぎたらこうなるな。
御黒さんのは、なんかため込みすぎた結果、みたいやけど。
「…ていうか、人とこんなに話したん久しぶりや。 なんか、ありがとな宮くん」
悩みやないけど、そんなんも聞いてくれてスッキリしたわ。
ふふ、と初めて見る御黒さんの笑顔に、俺は目を大きく見開く。
そして無意識に口走った。
「え、あ、わ、笑っ―――」
「…？ 笑うで、人やし」
けど笑うのも久しぶりやなあ。
そんな彼女の言葉に、心臓がドクン、と大きく鳴り響いた。
続く (更新停止中)
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彼岸花(プロフ) - たまごぼーろ。さん» ファッ!!ありがとうございます!!消さないように大いに進めていきます…!! (2018年6月30日 6時) (
レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - 新作おめでとうございます！！今回も面白くなりそうですね！更新頑張ってください！ (2018年6月29日 7時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2018年6月28日 23時
