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PROLOGUE ページ1

―――彼女は、学校じゃかなり有名であった。

 腰まで伸びたツヤツヤの黒髪に、色素の薄いグレーの瞳。
 肌は雪のように白く、手足は細く華奢。

 そしてその整った顔立はまるで人形のようだと、男女問わず人気を誇っていた。

 天は二物を与えず、なんていうけど彼女は例外。
 顔も良ければ頭も良い。そんでもって運動神経もいい。
 所謂高嶺の花であり天才ってやつだ。 こんな人材他にはない。

 ただ一つ、残念なところを上げるとすれば、不愛想だということ。

 これで愛想がよければな、と教師が愚痴をこぼしていたのを聞いたことがある。


 だが逆に言えばクールで物静か。 そんなとこもいい、というのが皆の評価だ。
 女に興味のない俺だって、彼女のことは少し気になっていた。
 笑った顔はどうなんやろか、何が好きで何が嫌いなんやろか、と考えるくらいには。


 ―――

 新学期に入って学年が一つ上がる頃。

 新しいクラスが提示されている掲示板を見た時、隣にいた双子の(ツム)が、ああ!と声を上げ、残念そうにガックリと肩を落とした。


「なんやねん、突然」

 俺がそう言うと侑は悔しそうにキッとこちらを睨む。

「また御黒ちゃんと一緒になれんかった! お前また一緒やないか、ズルイで!!」


 お前ばっかり、と子どものように駄々をこねる侑に俺はため息をついた。

 そしてもう一度、掲示板に目を向ける。
 そして、2年1組と書かれた列の、上から4番目の名前には“御黒(おぐろ)A”と高嶺の彼女の名が記されていた。



「運命なんやから仕方ない」

 冗談交じりにそう言うと、侑は顔を赤くして怒り出した。

「喧しい! お前のその冗談今めっちゃ腹立つ!」


 侑は、御黒さんに恋心を抱いている。
 一年の時委員会が同じで初顔合わせの時に一目惚れしたそうだ。

 こう見えて一途な侑は、事あるごとに一年時クラスが一緒だった俺に御黒さんの様子を聞いていた。


 クラスではどんな感じなん?
 授業中真面目に受けてるん?
 飯は購買派?それとも弁当派?
 部活は何入ってるん? …などと。

 あしらうとまた面倒くさくなるのでいつも聞かれた内容にはきっちり答えていた。

 そのせいか、彼女のことを目で追うことも少なくなかった。
 今じゃ彼女の見守り隊とまで呼ばれている(角名に)。


 ……。



「…また報告する1年か」

 侑を横目にため息をついた。

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彼岸花(プロフ) - たまごぼーろ。さん» ファッ!!ありがとうございます!!消さないように大いに進めていきます…!! (2018年6月30日 6時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ。(プロフ) - 新作おめでとうございます!!今回も面白くなりそうですね!更新頑張ってください! (2018年6月29日 7時) (レス) id: acb2629ba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年6月28日 23時

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