傘 ページ36
……僕と、____ちゃんのオルゴール……
僕たちのオルゴール
最後に、僕が渡したオルゴール。
ここに置いたんだね
懐かしい思い出がどんどんと溢れ出てくる
『っ、泣いちゃ、だめ、泣いちゃだめだよ……』
こんな、ところで泣いていられない。
思い出を振り返って泣くのは、
僕を気持ちを切り替えて、オルゴールを止めてポケットに大切に大切にしまった
『…そういえば…!』
僕は石像よりも前の、ピアノが置いてあったところに戻った
もしかしたら、オルゴールの最初の8音…!!
そう思って、オルゴールの最初の8音だけを弾いた
すると、壁に穴が空いた
『…!!』
恐る恐る、穴の中に入る
中には赤く光っている玉と、文字が彫られていた
掘られている文字を見ると、この赤い玉は伝説の宝…らしい
この赤い玉を他に欲しい人がいるかもしれないから、僕が取らないで残しておこう
来た道を戻って、仕方がなく、もう一本傘を借りる
借りるときに、
『最初の一本は石像にあげたし…!傘取ったらかわいそうだから2本目借りるだけだし…っ!2本目借ります!ごめんなさい!!』
という言い訳をしていたけど、ナイショにしておこう
傘をさして、道を歩いていると滝が多い場所で雨が急に降った
え、ここ地下なのに雨??
…滝の水が分散して落ちてるだけだよね、うん。
僕は無理やり納得して歩く
下の水溜まりは進むごとに大きくなっている
「おッ!カサ持ってんじゃん。」
ふと声がして、声のした方を見るとキッドがいた
雨が急に降って雨宿りしてたのかな?
キッドは「ラッキー。」と言いながら傘に入ってきた
キッド「しゅっぱーつ!」
『しんこーう!』
そう言いあってキッドと笑う
その後、キッドから謝られた
彼は、「俺のことで泣かせて、ごめん」と言っているけど、僕が勘違いしただけだから、謝るのをやめてお互いお礼を言った
キッドは「オレのことで心配してくれてありがとう!」
僕は、『ううん、生きててくれて、本当に良かったよ。ありがとう!』
と言ってまた笑い合った
そして、少し歩いた先でキッドは口を開いた
キッド「アンダイン、やっぱカッコイイよなー。」
キッド「悪いヤツらをブッ飛ばしてくれるし、ぜーったい負けないし。」
キッド「オレ、もしニンゲンだったら怖くて毎晩、オネショしちゃうね…」
キッド「「アンダインに、ブッ飛ばされるよぅ…」つって!ハハハ!」
笑えないよぉ…
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作者名:パニックインコ | 作成日時:2023年4月9日 21時