story. 11 ページ16
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「..で、話したいことってなんですか?」
助手席でシートベルトを閉める月島が、キーを指す俺に問いかけた。
俺はエンジンをかけると、今日来たこと、と言った。
車を出し、道路へ出る。
「今日さ、勉強で来たって言ったじゃん。」
「はい、まあ。」
月島は前をじっと見つめる。
俺はハンドルを持って、前を見たまま更に言葉を発した。
「..嘘でしょ?」
「..勉学の為っていうのは本当です」
信号が赤になった。
ブレーキを踏み、車が止まる。
「A先輩に、会いに来ました」
午後8時過ぎ、暗くなった夜道は未だに沢山の人がいる。
「..何のために?」
横断歩道を歩く沢山の人。
ぴこん、となり続ける音は、止まった。
「赤葦さんは知らないでしょうけど。
..僕、中学の頃A先輩と付き合ってた頃があったんです」
信号は青に変わり、前の車が動き出す。
俺は息を吐いて、アクセルを踏んだ。
「…で、なんで今頃会いに?」
色とりどりの店が並んでいる。
スーツを着た男の人が、赤信号を逃したのか、横断歩道前の歩道で立ち止まった。
「…高校の頃から、気になってたんです。
合宿の時、梟谷のマネージャーをしているのを見て、中学の頃を思い出しました。
僕はその時、別れたにも関わらずもう一度恋をしましたよ」
ああ、そこを左です、と月島が言った。
信号は青になっており、スムーズに曲がれた。
「…今でも、まだ好きなの?」
左に曲がると、ホテルはすぐそこだった。
「好きじゃなきゃ、今ここで赤葦さんと話なんかしてませんよ」
生憎右側にホテルがあったので、通る車と車の間が空くのを待つ。
「月島は、どうしたいの?」
そういった途端、車の列は途切れた。
その間を通り、ホテルの前で止まる。
月島はふ、と微笑むと、ありがとうございました。と車の扉を開ける。
片足を車から出し、こちらを見る。
「…勿論、好きなんですから、自分のできる限りのことをしますよ」
それではさようなら。A先輩にもありがとうございましたって伝えておいてください、と言い、車から降りた。
ぺこ、とこちらに一礼をし、ホテルの中へと消えていく。
俺はハンドルを持ったまま顔を埋め、ふう、と息を吐く。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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洸樹*(プロフ) - もふもふマフラーさん» マジですか…ッ!!ありがとうございます、! (2016年2月5日 23時) (レス) id: 3eabe1d219 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふマフラー - この物語いっつも楽しみに、してます!がんばってください! (2016年1月20日 18時) (レス) id: 53d6116b8a (このIDを非表示/違反報告)
洸樹*(プロフ) - 冰夊さん» 喜んでくれて光栄です、(*'-')b…!!ありがとうございます! (2016年1月17日 12時) (レス) id: 3eabe1d219 (このIDを非表示/違反報告)
冰夊(プロフ) - 続編おめでとー!やった!やった、続編出たぁ! (2016年1月17日 2時) (レス) id: 7947d9862f (このIDを非表示/違反報告)
洸樹*(プロフ) - sweet rabbitさん» ありがとうございます、^^*コメントありがとうございます、頑張ります(*'-')b (2016年1月16日 12時) (レス) id: 3eabe1d219 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すふれ@ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kookihqlove/
作成日時:2016年1月16日 7時