拝啓、ノンケの君へ！【男主】 (ページ5)

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Episode：03_思い知れページ5

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「＿＿＿＿ふ、威勢が良いのはいい事だ。だがしかし、初対面の相手にそうべらべらと喋るのは……」

「うるさいなあっ！ていうか俺が説明受ける時だって、あのロボットは俺の言葉一つ聞かずに喋ってたんだからお互い様だろ！？…っていうか、あのロボットは何処だよ！」

…呼び出されたかと思いきや目の前に居た三人に、思い思いの言葉をぶつける。
桜華と名乗った人物は腕を組んで、俯き気味に無言になってしまった。

「…あれ、…な、なに？言っとくけど俺別におかしいことはひとつも言ってな＿＿＿」

ドンッ、と大きな音が真横で響いた。
閉じられた召喚室の扉に、前にいたはずの桜華の手があり、不自然な煙を立てていたのだ。

「…嗚呼、そうだ。貴様は可笑しな事は一つも言ってない。…そうだな。我の言葉を二度も踏み躙ったその勇気だけは称えてやろう。」

低い声でそう喋り、壁に着いた手をそのままにもう片方の手を俺の頬へ持ってくる。
手袋のカサついた感触が伝わったと思いきや、不意に生暖かい感触が頬を襲った。

「＿＿＿＿ひっ…？！」

その感覚は、人間の舌に似ていた。
目の前の桜華はにんまりと笑い、俺の傍から離れる。

「今回のヒーローは特別やり甲斐が有りそうだな。…そうしておけるのも今のうちだ、精々楽しんでおけ」

桜華は掌からべろりと舌を出したかと思えば、踵を返して召喚室から出て行った。

震えた足のままその場に倒れ込み、荒い息を収めようと喉元を抑える。今でもあの舌の感覚が頬を伝い、ゾクゾクと背に悪寒が走る。

「…桜華クンも初っ端から走るねぇ。大丈夫？」
「…あ、」

ふと差し出された手に、俺は顔を上げる。
そこにはマルコスと名乗った猫耳フードの青年が、袖から少しの指を出して此方に手を差し伸べていた。

素直にその手を掴み、立ち上がる。

「＿＿＿＿ま、桜華クンの言葉も嘘じゃあないよ。威勢がいいのも今のうち。…大丈夫、僕はちゃんと相手の意見も尊重する男だからさ？」

立ち上がった俺の手をそのまま引っ張り、マルコスは俺の耳元でそう呟いた。

慌てて掴んでいた手を離すと、マルコスは笑みを浮かべて背を向けた。

「落ち着いたら来いよ。部屋とか紹介されてないだろ、教えてやるからさ」

もう一人のアタリと名乗った金髪少年は、此方に手を振ってマルコスと共に部屋を出ていった。

＿＿＿＿立ち上がったのも束の間、再びその場にへたり込んでしまう。