プロローグ ページ1
"どうしたら私を愛してくれますか?"
宮内に響く最愛の妹の声
"私がジェニットのようになればいいのですか?"
やめてそんな奴に縋らないで、
"そしたら...ジェニットへのようにやさしく名前を呼んで"
"温かい眼差しで見つめてくれますか?"
"もうその手で私を振り払わないで抱きしめてくれますか?"
私が、私が声を出せるようになるから。お願いやめて、
"そんな日永遠に来ない"
うるさい、やめて、私の妹をアーティを傷つけないで、
"なぜですか?私もお父様の娘です。私はジェニットよりもずっと前からここにいたのに、"
そうだよ、アーティは誰よりも真面目で誠実で頑張ってきたそれは私が一番分かってる
だから、だから、だから!
"愚か者め、俺はお前を娘だと思ったことが一度もない"
そんな冷酷な奴のために死なないで....!!
私とアーティの瞳にかつてないほどの絶望がよぎる・・・
バッ
『、、、ッ!、』
今日は私の処刑執行の日。
脳裏に写るは処刑されてしまった最愛の妹のとても可愛いらしかった笑顔
『(なんでこんな夢を、)』
あ、そっか
恐ろしいほど簡単に頭に流れてきた案。
寝てる間にメイドが持ってきたであろう朝食
自分で切れと言わんばかりの果物ナイフ
ナイフを取ろうと腕を伸ばす
『(私が言葉を出せないばかりにアーティを苦しませちゃったよね)』
『(ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、)』
グサッ
喉をひとつき
血が溢れでる
朦朧とする意識の中、見えたのは残酷なほど美しい王宮の天井だった
『(ねぇ、アーティ。もしも、もう一度チャンスがあるのなら私は貴方に愛を伝えたいわ、)』
_『かわいらしいお姫様』
第8章 ねじれた運命_
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作者名:星彩 | 作成日時:2022年6月4日 7時