第五章第八話 ページ38
「....も、もったいないね。」
「そうだわさ！！もったいないすぎる！！こいつら磨けば光輝く原石じゃないの！！」
ここまで様々な怪物に出会ってきたのだが、どれも注意深く見ていないせいで倒せていない。
「あんた！！あいつらよりも先輩なんでしょ！？なんでもっと教えてやんなかったのさ！」
「ご、ごめんなさい。」
「駄目だ！もう我慢できん！！」
ビスケはついに姿を現し、二人に向かって「凝！」と命じる。
二人は何がなんやら。わからない様子。
「ホラ！よそ見すんな！凝だよ！出来るの！？出来ないの！？」
二人はすぐに凝をすると鎧の騎士から何か出ているのが見える。
「見えただろ？その鎧の騎士は傀儡でいくら攻撃しても効かないよ！」
キルアが鎧の騎士の囮になっている間にゴンが念の糸を辿ってみると小さなネズミのような生き物と遭遇する。そして、そのネズミはすぐにカードになる。鎧の騎士もバラバラになってしまった。
私達は岩石地帯を下りると、二人の前まで来た。
「凝できるじゃないの。何で言われるまでやらなかったの？ずっと見てたけど一度も使ってないよね？」
「いや....まぁ...な。」
「うん」
「忘れてたわけね」と言いながらビスケは右手の人差し指をあげて私たちに見せる。
あ、これ、ネテロさんの修行でやった。
素早く凝をするが答えはまだ言わない。
これは、たぶん、二人の修行だから。
「何ボサッとしてんだよ凝！！！」
ゴンとキルアはすぐに凝をすると「何が見えた？」と問うビスケに「数字の１」と答えた。
「いいこと？これから私が指を一本たてたらすかさず凝！そして何が見えたか大声で言うこと！それ以外にも怪しい雰囲気を感じたら何をおいても凝！いいね？」
凝は念の初歩。出来て当然。
私はバカだ。これくらい、しっかり二人に言っとくべきだった。
「これからは私がコーチしてやるからね！特別にタダでいいよ。そのかわりビシビシ鍛えるからそのつもりでね！Aは私のアシスタント！いいね？」
「はぁ？寝ぼけんなよお前！一体何を....」
ピッと人差し指を上げるビスケに凝をして「数字の5」と答えたのはゴンだった。
ビスケはゴンに「正解！」と言うとキルアがに腕立て200回を命じる。
「罰ゲームだよ。早く！」
「ああ！？ふざけんな誰が＿＿ぶへっ！」
バキッと聞いたことのない音が岩石地帯に響いた。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
