第四章第二十八話 ページ28
二日なんてあっという間だ。
もう９月１０日。プレイヤー選考会。
キルアから告白された後の私の記憶は曖昧だ。昨日の晩御飯だってあまり覚えていないくらいなのだから。
いや、だって年の差ってもんを、考えてみてよ。
キルアがもし今の私の年齢になった時、私三十路だよ！？３０だよ！？
それに今の年齢じゃ....
この思考のループである。
しかし、ふと思い出したことがあった。
旅団に捕まる前、つまり私がボディーガードの仕事をしているとき。
イルミにキスされたんだ。ほっぺだけど。
え！？待って！？いきなりのモテ期で怖い！！
人生で三回モテ期があるって聞いたことあるけど、一回目が小さい頃で....これ二回目か！
しかも二人とも兄弟というのが難点....！！
「Aー、Aー？」
名前を呼ばれていることに気づき、はっと横を見るとゴンが心配そうにこちらを見ていた。
「もうそろそろ行こう！」
ん？行く？
視線を前に向けるともう人が全然いない。
「先にAからどうぞ！」
「え！あ、うん！」
流されるまま私は舞台の端のカーテンをそろりと開け、中に入る。
中にはプロハンターらしき人。
やばい、さっきの話聞いてなかったから名前がわからない。
「ほぉ、一角族か。絶滅したと思っていたんだが。珍しい。」
彼はそんな私の思考なんかつゆ知れず、「では、練を見せてもらおうか。」と腕を組んで見定めた。
私は足のホルスターかは銃を一丁手に持つと、構えて強化系を含めてヒットガン撃つ。
銃の扱いには慣れているため百発百中とまではいかないが狙いはバッチリ。
彼の頬をかすめて撃った。
念弾は後ろの壁にドゴンと当たり、砕ける。
そして、銃をホルスターに仕舞うと彼の前に立ち、頬を触ってかすめて傷が出来たところをリトルリカバリーで治す。
「どうですか？」
「....よかろう、合格だ。」
よかったと思い、ドアノブに手をかけるが一つ聞きたいことがあった。
「あの！お名前うかがってもいいですか？」
★
ツェズゲラさんかー。
と思いながら席に座る。
今居るのは七人。私を入れて八人だ。
結構少ないなーなんて考えているとさっき私が入ってきたドアがガチャリと開く。
キルアだ。
軽く手を振ってこちらに居ることをアピールする。大人ぶってるけど、心臓の音はもうバックンバックンだ。
キルアの顔を見ると、二日前のことを思い出すから。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
