第四章第二十五話 ページ25
「レオリオ、A、それではそろそろ行くよ。」
広い空港には、人が大勢いる。人の声だって飛行機の飛び立つ音だって聞こえるが、それでもクラピカの声は私の耳にすんなりと入っていて、もうお別れかと少し惜しんだ。
ゴンとキルアは現在進行形で修行中。
クラピカの優しさゆえにいわなかったのである。
「A、話したいことがあるのだが、少しいいか？」
「え？」
ちらりとレオリオを見るとレオリオはセンリツさんと何か話したそうにだったから私とクラピカは二人から少し距離を開けた。
「話って？」
「....すまなかった。」
いきなりの出来事に頭が追い付かない。なぜ謝ったのだ？？？
「Aに....リトルリカバリーを使わせてしまった。」
「私が冷静じゃなかったばかりに....ほんとうにすまない。」
深々と頭を下げるクラピカ。
なんでそんなこと言うの？？
私だって、もっと早くクラピカを止めていればリトルリカバリーをしなくて済んだし、冷静になれとは言ったけどあの状況で冷静でいられる方がすごい。
「私もクラピカを止めれなかったから、お互い様だよ。それに何か減った訳じゃないんだから、気にしないで！」
ポンっと肩を叩くと「....ああ」と頭を上げる。
「今は同胞の目、見つけてあげないと。」
「そうだな。」
「私も見つけたら報告するから！携帯番号変えたら教えてね！」
レオリオ達の話が終わったのか、センリツさんがこちらへ近づいてくる。
次の飛行機だもんね。
「またね！」
「ああ、またな。」
センリツさんにももちろん別れを言い、二人は入場ゲートへと入っていった。
「レオリオ、センリツさんと何話してたの？」
「あ？あー、なんでもねーよ！」
少し照れた表情で「戻るぞ！」と歩き出す。
「クサイセリフでも言ったの？」
「そんなんじゃねーやい！」
★
審査まで、刻々と時間が迫ってきている。
審査の日である九月十日まであと二日しかないのだ。
二人は修行のため、なかなか部屋から出てこない。
出てきたと思えばまた部屋に入って修行。
ということで二人に差し入れを持っていくことにしたのだ！
ビニール袋が二つ。一つはゴンでもう一つはキルア。
ゴンの部屋をノックをするとすんなり出てきてくれた。
「ありがとう！」と言うと部屋に入っていっく。まぁ、一秒も無駄にできないからね。
そして私はもう一つのビニール袋を手に、キルアの部屋へと向かった。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
